PXL_20211021_123019983特選小説 2021年12月号
辰巳出版

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 特選小説での39作目の短編。
 以前、特選小説で書いた「カレセン部下」の後日談となります。

 今回のテーマは、官能小説としては珍しい「夫婦」。あと、私には追加で、ヒロインはツンデレでね、という指定がありました。ここのところの特選小説さん、色々と攻めてます。

 夫婦がテーマと聞いて、だったら、過去に書いた作品の後日談がよくね?、とすぐに思いました。
 一部のNTR系を除く私のすべての作品では、主人公とヒロイン(たち)はその後も破局したりせず、ハッピーエンドが確定しています。よって、なにか特殊な事情でもない限りは、まあ、結婚してるケースが大半です。
 つまり、候補となるのはほぼ全作品。そこから、ヒロインがツンデレで、かつ、後日談が書きやすそうなものをいくつか選びました。

 発表媒体と読者層を考えると、設定説明に手間取るものは難しいため、基本的には人外ヒロイン及びハーレムもの、そして異世界ものは候補から外しました。雪女くらいならいいかなー、とは思ったので、「僕には雪女(スノーホワイト)なお姫様がいます」なんかは残しましたけど。
 また、あまり古いものもどうかと思い、ここ数年の作品から選ぶことに。

 ブログやTwitterで「結婚したヒロインたちの後日談を読みたい作品はありますか」ってアンケートをやったのは、このためです。

 もちろん、特選小説で発表した短編の後日談も有力な候補でした。ただ、ツンデレヒロインってあまりいないような気がしたので、美少女文庫も候補に加えたわけです。

 アンケートの結果や担当さんのアドバイス、そして私の趣味で最終候補となったのは、以下の作品。

「僕には雪女(スノーホワイト)なお姫様がいます」(美少女文庫)
「生徒会長・愛ヶ淵愛理はマゾられたい Mな幼なじみと特別補習」(美少女文庫)
「カレセン部下」(特選小説)

 他にもあるんでしょうけれど、ネタが思い浮かびやすそうなやつを選んでみました。
 で、他の作業(なにしろ今月、4作品がまとめて発売されますんで。大変でした……)をやりつつ結婚後の生活をあれこれ妄想してましたが、ここで雪女のユーリヤが脱落。深い意味はなく、ネタが出なかっただけです。
 残った2作のうち、どちらにするかは結構〆切近くまで悩みました。ただ、愛理は思いついたアイディアが自分の中でぴんと来なかったので、今回は「カレセン部下」を採用。

 こちらはカレセンは枯れ専、つまりはそういう趣味の部下がヒロインのお話です。へろへろになったおっさん上司が好きでわざと残業させては眺めるという、いかにも私が書きそうな内容となってます。電子書籍(KindlehontoFANZAなど)で110円で買えますので、よろしければ是非。

 元ネタが決まったところで、改めてプロットを作りました。
 テーマは夫婦であって別に新婚でなくてもいいんですが、せっかくなんで前作から1年くらいあとに設定。前作でもちらっと言及してるように、主人公の実家に行って……という展開も考えましたが、長くなりそうだからボツ。作中で軽く触れるだけにしました。

 相変わらず枯れ専趣味全開の新妻ヒロインがぐいぐい来ますけど、主人公も反撃します。というかこの新妻、前作よりさらにチョロイン化が進行。ノリは美少女文庫。書いてて楽しかったです。読者も楽しんでもらえると嬉しいのですが。

 あ、当然、前作を読んでない方にも問題ないように心がけて書いたつもりです。ここは一番大切なところなので、気を遣いました。
 アンケートの結果がどうなるか、どきどきです。