僕には純白王道(ヴィクトリアン)なメイドがいます僕には純白王道(ヴィクトリアン)なメイドがいます
青橋由高(著)・HIMA(イラスト)
美少女文庫(サンプルあり)

メロンブックス(特典あり)
とらのあな(特典あり)
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FANZA
BOOK☆WALKER

その3から続く)

 発売から1ヶ月が経ちました。
 おかげさまで売上ランキングで1位になったりしたところもあるようですが、引き続きよろしくでございます。
 感想も色々いただきました。作者としては意外だったのが、
「エレノアさん、凄い(意訳)」
 って意見が本当に多かったこと。
 いや、ネガティヴな感じではないですけどね。

 ここでの「凄い」とはおっぱ……違う、性格です。
 エレノアは私の作品のヒロインではそう珍しくない、「好きすぎてあれこれやらかす」タイプです。愛が行きすぎちゃう路線。
 ただ、私の中では、美少女文庫での前々作に当たる「星のメイドさまと新婚生活」の天音さんのほうがよっぽど、と思ってたんで、みなさんの感想はちょいと意外に感じたわけです。
 というか、エレノアがそんなに変じゃないとか考えてる時点で私、やばいのか……?

 まあ、みなさま、好意的な感じなので、よしとします。
 エレノア、普通に可愛いよね? 一途だよね? ちょびっと、ちょびっとだけ独占欲強いかもだけど? 愛の重さが若干、軽くないかもだけど?

 あと、サブキャラのサマンサ伯母さんも妙に人気でした。
 サマンサさん、最初はここまでぶっ飛んだ方ではなかったのです。ただ、書いてるうちに私の中の間違ったメイド魂が自動書記始めやがりましてね? あるいは由佳里さんの生霊が宿ったのかも。

 ……はい、ここで「由佳里さん」と言われてすぐわかっちゃうあなた。もうやばいです。末期です。今後ともよろしくです。
 わからない方に簡単に説明すると、私のメイド作品にちょくちょく出てくるJMA、日本メイド協会なる怪しすぎる団体を起ち上げた、勘違いメイド道を驀進し続けるメイドのお姉さんです。現在は多分、ご主人様の筆頭メイド妻になってるはず(ただし、筆頭が2人いる可能性が高い)。
 最近の作品だと、「メイドやります! 年上お姉さんとツンツン幼なじみ」の影で暗躍してますね。

 閑話休題。

 ページの関係で、今回も使わなかったネタがいくつかあります。
 できるだけ販促関係に回してますけど、そこから漏れたものもあったので、Twitter用にぱぱっとショートショートを書きました。
 せっかくですので、以下に載せておきます。
 Twitterバージョンだと文字数の関係で短くしすぎた感じもあるため、改めて加筆してみました。


『義理チョコ』


 作中よりも少し前、司とエレノアがまだ恋人になってなかった頃の2月14日。
「いつもお世話になっております、司様。これ、つまらないものですが」
「やめて。お中元とかお歳暮みたいな感じでチョコ渡すのやめて。でも嬉しい。ありがとう。もしかしなくても、今年も手作り?」
「はい。この辺りではそうそういいお店もありませんし、自分で作ったほうが早いですから」
「やめて。手作りにした理由が効率とか聞くと悲しくなるからやめて。でも嬉しい。ありがとう」
「なぜ司様がそこまでこだわるのかはわかりませんが、喜んでもらえたのなら私も本望です。ただ、そう大したものではありませんので、そこはご容赦願います」
 エレノアの表情は普段とまったく変わらない。
(少しは照れてる様子とかあれば、僕も希望が持てるんだけどなあ)
 残念ながら目の前の幼なじみからは、照れ隠しをしてる雰囲気などはまったく感じ取れない。
「これ、見た目がもう完全にプロの仕事なんだけど? なんてチョコケーキなの?」
 今年も義理なんだろうな、と諦めつつも、それでも僅かな期待を捨てきれずに箱を開けた司は、中から現れた美しいケーキを見て驚いた。そのくらい、見事な出来映えだったからだ。
「さあ。確か、どこかの国の名前がつけられてたと思うのですが、失念してしまいました。恐らくはごくごく普通の、庶民的なケーキかと。必要なら調べます」
「ううん、いいよ。エレノアが作ってくれたってだけで僕には充分だから」
「あ、ありがとうございます」
 このとき僅かにエレノアの耳がほんのりと赤らんだのだが、残念ながら、当時の司はそれを見逃してしまう。


 エレノアが参考にしたチョコケーキの名は、つい最近、つまり二人が恋人になってから判明した。きっかけは、サマンサが買ってきてくれたおみやげだった。
「あれ? このチョコケーキって、前、エレノアが作ってくれたやつに似てない?」
「ああ、確かにこれでした。ネットで評判がよかったのです。本物のレシピはまた違うのでしょうけれど、あれこれ調べて参考にした記憶がございます」
 エレノアのこの発言を聞いたサマンサは、「はああぁ……」と、大きく息を吐いた。もの凄くわかりやすい呆れ顔だった。
「これ、世界最高のチョコケーキとも言われてる『グアヤキル』だから。あの巨匠の代表作だから。これ参考にした時点でもう完璧に本命でしょ。義理チョコの参考にするものじゃないわよ。なに、あなた、その頃から司さんへ恋心、無自覚だったわけ……?」
 サマンサが東京の直営店で買ってきてくれたというオリジナルのチョコケーキは、本当に美味しかった。
 ただし、司にとっては大好きな幼なじみがくれたあの「義理」チョコケーキの次に、だったけれども。
(終)