こんな官能小説、今まで読んだことがなかった!
通勤電車、超能力で生意気な美人課長を「念動責め」
夫の出勤後を見計らい「透明人間」で人妻の寝室へ。
戦国時代へ「異世界転生」し、甘い夜伽を望まれて。
いきなり訪ねてきた艶めかしい絶世の美女は「雪女」!?
男の妄想が現実に変わる、世にも奇妙で淫らな物語。
2008年以来に黒本のアンソロに参加させていただきました。前回は商業では珍しくダーク系でしたが、今回はある意味いつもの、みなさんが想像するような青橋作品にて参戦。
この企画を打診されたとき、「マジかフランス書院」と思いました。確かにたまに凄い企画やってますが、まさか自分に回ってくるとは。
私が最初に提示したネタは「吸血鬼」と「雪女」でした。
吸血鬼のネタは、フランス書院に応募したときの中編が「吸血鬼姉妹と触手」みたいな内容だったんで、これをリメイクしようかなーと。あとは触手。姉妹丼。完璧に趣味丸出し。
気分的にはこっちに傾いてましたけど、担当さんからは「では雪女で」とばっさり。おおぅ。
んで、雪女ネタでプロット作りました。
ただ、途中で色気を出して(だいたいいつもこれで苦労して後悔する)、書き始める寸前にほぼ全面的に変更。雪女の基本設定はだいたいそのままですが、ストーリーそのものは全部変えちゃいました。
ヒロインを単独から二人にしたのは完璧に私の趣味。
タイトルにもなってる「一晩、泊めてください」は担当さんが文中のこのフレーズが気に入ってたので、改稿の際に冒頭とラストでここを少し強調してみました。
雪女ということで、当初は「ここは妖怪メイドアパート」と少しリンクさせるつもりでした。
でもページに余裕もなかったし、浮いちゃいそうな感じがあったので断念。ちょっと悔しい。

青橋由高(著)・有末つかさ(イラスト)
美少女文庫
自己解説はこちら
余談ですが、〆切が月末で、15日くらいに進捗聞かれたので「いや、別の原稿やってますけど」と返したら「え、まだですか。もう完成した作家さん数人いますよ」と驚かれました。
私とすると、一週間もあればまず大丈夫だと思ってたので、逆に驚きました。普段、特選小説の短編を4日くらいで書いてるんで、その感覚でした。慣れって怖い。
このときは美少女文庫の初稿とこの原稿と特選小説の短編の〆切が重なってて、大変は大変でした(正確にはこの他にも一つやってた)。
実際には3日で書けました。短編の場合、プロットさえできてれば(これできてないとどうしようもない)、数日でがーっと書けるんで、計算はしやすいですね。
ちなみに特選小説は2日でしたが、さすがにこれはキツかったです。このときの作品が「優しく剃らせて」。
美少女文庫の担当さん曰く「なんで長編も短編みたいに書けないんですか……」。
なんでですかねえ。