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怪盗メイドの事件簿
青橋由高(著)・有末つかさ(イラスト)
美少女文庫
詳細はこちら
は、アニメイトさんでのフェア対象作品になってます。
このフェアのためにショートショートを書き下ろしたのですが(オータムリーフさんのとは別)、最初に用意したものはちょっと悪ノリしすぎてこれはどうかなーと思ったのですが、案の定、担当さんからも「ちょっと微妙」と評されたので取り下げました。
このブログでやる分には問題ないと思うので、こっちで公開します。
ただし完全にネタバレしてます。後日談扱いですので、本編を読み終わった方のみがよろしいかと。
分量的には文庫3ページちょいって感じで短いです。
おバカ系&完全に宣伝用。
では、ネタバレしていいという方のみ以下へ。
怪盗メイドの事件簿
青橋由高(著)・有末つかさ(イラスト)
美少女文庫
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このフェアのためにショートショートを書き下ろしたのですが(オータムリーフさんのとは別)、最初に用意したものはちょっと悪ノリしすぎてこれはどうかなーと思ったのですが、案の定、担当さんからも「ちょっと微妙」と評されたので取り下げました。
このブログでやる分には問題ないと思うので、こっちで公開します。
ただし完全にネタバレしてます。後日談扱いですので、本編を読み終わった方のみがよろしいかと。
分量的には文庫3ページちょいって感じで短いです。
おバカ系&完全に宣伝用。
では、ネタバレしていいという方のみ以下へ。
「冬休み前のひととき」
「祖父ちゃんたちに聞いたんだけどさ、キャットも何度か決定的なピンチに陥ったことがあるらしいな」
耕助がそう切り出してきたとき、芽衣はいやな予感を覚えた。
「耕ちゃん、なに企んでるのかな?」
「おいおい、いきなりひどいな」
(だって耕ちゃんがそんなふうに帽子をいじりながらのときって、だいたい嘘吐いてるか、私をからかうときだもん)
耕助が持っているのは、探偵のトレードマークとしていつも愛用しているハンチング帽だ。
「な、なんのことかな?」
「まあ、いいけど。……お祖母ちゃんたち、捕まる寸前まで追い詰められたことがあるみたい。耕ちゃんのおじい様とかおじ様に」
「なんでも、捕らえたと思った瞬間、キャットがもの凄い力で大の男を投げ飛ばしたとか、人間では不可能な跳躍をして逃げたとか。いまだにどんなトリックかわかんないってさ」
耕助は相変わらず帽子をいじくっている。
「トリックじゃないよ。いわゆる火事場のバカ力みたいなものだから」
「確かにここぞってときに人間は信じられない力を発揮するが、それくらいわからない祖父ちゃんたちじゃないぜ?」
「うちの母方の遺伝みたいなんだ」
「芽衣のところはずっと婿養子なんだってな」
「うん?……うん」
言い淀んだのは、そんなことを耕助に言った記憶がなかったからだ。
「特殊な体質でね、限界まで肉体を使えるんだって。その分、反動も凄いんだけど」
「なかなか面白い体質だな。探偵としての興味をそそられる。ち、ちなみにお前の田舎ってどこだっけ?」
耕助の帽子いじりが止まらない。
「大分だよ。耕ちゃん、知ってるはずだよね? 毎年里帰りしたときはお土産あげてるんだから。どうして今さらそんなこと聞くのかな?」
芽衣はもう、この幼なじみの、そして自分の母か祖母(あるいは両方)の狙いに感づいていた。
「わざわざ回りくどいことしないで、素直に一緒に旅行したいって言えばいいのに」
「い、いや、僕はあくまでも探偵として、そしてキャットのパートナーとして、お前の能力についてより詳しく知っておきたいというか」
「お母さんたちになにか言われたんでしょ? 一緒に旅行してこいとか」
母たちが孫やひ孫を抱きたいとしつこいのを知ってる芽衣が苦笑する。
「な、なんのことやら」
「いいよ、別に。私も親戚に耕ちゃんのこと紹介したいし。私の田舎ってね、面白い人がいっぱいで、きっと耕ちゃんも楽しめると思うよ」
「面白い人?」
「詳しくは『トリプル押しかけ許嫁』『トリプル押しかけメイド妻』『トリプル押しかけお姫様』の鬼江村シリーズをアニメイトさんで買って読むとわかると思うな、芽衣」
「最後の最後で宣伝オチ!?」
「怪盗メイドなんてのが許されちゃう世界だもん、なんでもありだよ」
「おおお……それ言われると探偵としてはなにも言い返せん……」
「それじゃ冬休みは一緒に里帰りしようね、耕ちゃん」
「あ、ああ」
「混浴温泉もあるから楽しみにしててね、ご主人様」
「……ああ」
「このときはまだ二人は気づいていなかったのだ。まさか二人きりの旅行があのような血生臭い、陰鬱な事件になろうとは……」
「やめろっての! それは僕のセリフだ!」
「にゃふぅ……」
付き合いきれないよ、と、フランソワーズが大きなあくびをした。
「祖父ちゃんたちに聞いたんだけどさ、キャットも何度か決定的なピンチに陥ったことがあるらしいな」
耕助がそう切り出してきたとき、芽衣はいやな予感を覚えた。
「耕ちゃん、なに企んでるのかな?」
「おいおい、いきなりひどいな」
(だって耕ちゃんがそんなふうに帽子をいじりながらのときって、だいたい嘘吐いてるか、私をからかうときだもん)
耕助が持っているのは、探偵のトレードマークとしていつも愛用しているハンチング帽だ。
「な、なんのことかな?」
「まあ、いいけど。……お祖母ちゃんたち、捕まる寸前まで追い詰められたことがあるみたい。耕ちゃんのおじい様とかおじ様に」
「なんでも、捕らえたと思った瞬間、キャットがもの凄い力で大の男を投げ飛ばしたとか、人間では不可能な跳躍をして逃げたとか。いまだにどんなトリックかわかんないってさ」
耕助は相変わらず帽子をいじくっている。
「トリックじゃないよ。いわゆる火事場のバカ力みたいなものだから」
「確かにここぞってときに人間は信じられない力を発揮するが、それくらいわからない祖父ちゃんたちじゃないぜ?」
「うちの母方の遺伝みたいなんだ」
「芽衣のところはずっと婿養子なんだってな」
「うん?……うん」
言い淀んだのは、そんなことを耕助に言った記憶がなかったからだ。
「特殊な体質でね、限界まで肉体を使えるんだって。その分、反動も凄いんだけど」
「なかなか面白い体質だな。探偵としての興味をそそられる。ち、ちなみにお前の田舎ってどこだっけ?」
耕助の帽子いじりが止まらない。
「大分だよ。耕ちゃん、知ってるはずだよね? 毎年里帰りしたときはお土産あげてるんだから。どうして今さらそんなこと聞くのかな?」
芽衣はもう、この幼なじみの、そして自分の母か祖母(あるいは両方)の狙いに感づいていた。
「わざわざ回りくどいことしないで、素直に一緒に旅行したいって言えばいいのに」
「い、いや、僕はあくまでも探偵として、そしてキャットのパートナーとして、お前の能力についてより詳しく知っておきたいというか」
「お母さんたちになにか言われたんでしょ? 一緒に旅行してこいとか」
母たちが孫やひ孫を抱きたいとしつこいのを知ってる芽衣が苦笑する。
「な、なんのことやら」
「いいよ、別に。私も親戚に耕ちゃんのこと紹介したいし。私の田舎ってね、面白い人がいっぱいで、きっと耕ちゃんも楽しめると思うよ」
「面白い人?」
「詳しくは『トリプル押しかけ許嫁』『トリプル押しかけメイド妻』『トリプル押しかけお姫様』の鬼江村シリーズをアニメイトさんで買って読むとわかると思うな、芽衣」
「最後の最後で宣伝オチ!?」
「怪盗メイドなんてのが許されちゃう世界だもん、なんでもありだよ」
「おおお……それ言われると探偵としてはなにも言い返せん……」
「それじゃ冬休みは一緒に里帰りしようね、耕ちゃん」
「あ、ああ」
「混浴温泉もあるから楽しみにしててね、ご主人様」
「……ああ」
「このときはまだ二人は気づいていなかったのだ。まさか二人きりの旅行があのような血生臭い、陰鬱な事件になろうとは……」
「やめろっての! それは僕のセリフだ!」
「にゃふぅ……」
付き合いきれないよ、と、フランソワーズが大きなあくびをした。
コメント
コメント一覧
つまり、あらすじを、分かりやすくする為に、
既刊を買って欲しいと、
言う事でせうか?(爆)
SSって分量も中途半端だし、毎回苦労します。
しかし私には効果がありませんよ、既にトリプルシリーズ揃っていますので(^^)
こういった日常のヒトコマは読んでいてほのぼのとしてしまいます
長文失礼しました
自分の本の宣伝というよりも、アニメイトで買ってね、って意味合いだったんです。
せっかくの特典なんで、そのショップに合わせたPRしたいなぁとは以前から考えてるのですが、なかなかいいアイディアが浮かびません。
>マープルさん
古い作品もあるので、宣伝という意味ではちょっと微妙だったかもしれませんねえ。