なにかが起きるための分水嶺、閾値ってありますよね?
たとえば、コップから水がこぼれるか否かのぎりぎりの量。
音が割れるぎりぎりのボリューム。
誰かを怒らせるぎりぎりの加減。
最後のは数値化できるかちょっとわかりませんが(笑)。
でね、これっていわゆるヒット作とかにも存在するんじゃないかと思うのです。
ま、なにをもってヒット作とするかという問題もあるんで、もっと身近で卑近な例として、「青橋由高の作品が増刷されるか否かの閾値」としましょう。
ふふふ、いつものように生臭い話になりますぜ?
わかりやすいように、キリのいい数字を使いますが、もちろん実際とは違いますのであしからず。
まず、とある新刊があるとしましょう。初版は1万部とします。現実にはもっと多いですが、計算しやすいからこれでいきます。
腰の重い出版社様が無条件で増刷を決心するラインを……そうですね、消化率7割としましょう。期間は発売から一ヶ月と取り敢えず設定。
まずは1万部のうち8000部を書店さんに送りましょうか(現実には全部配本するのかな? どうなんだろ?)。2000部は在庫として倉庫でスタンバイ。たまにスタンバイのまま戦力外通告になる本もいる、という業界残酷物語は自重。
単純に考えると、この8000部が完売すると合格ラインに達するので万々歳でハッピーエンド。が、そんな甘い話はございません。少なくとも青橋は一度も経験してねえよ!(なぜかキレる)
書店さんに並べられたうち、そうですね、3冊中2冊が売れたとします。約5300冊売れて、消化率53%。
書店さんのいくつかは「お、なかなかいい売れ行きじゃないか」と追加発注かけてくれます(ここらへんの流れは実際と違いますがご容赦を)。
そしてスタンバイしてた2000冊のうち半分が出荷され、また2/3弱売れたとします。希望的観測すぎますけどね。
新たに売れたのが約700冊。トータルで約6000冊。消化率60%。増刷ラインまであと一割となりました。
……えー、事情を知ってる人はツッコミしまくりしたいところでしょうが、そこは生温かい目でスルーするように。本題はそこじゃないんで。
増刷ラインまであと冊数にして約1000。
6000冊売ったんだからあと1000くらい楽勝じゃん、と思ってはいけません。
まず、発売当初から売上の速度は通常どんどん落ちていきます。「ラノベは最初の三日間が勝負」なんてよく聞きますしね。私の本も似たような状況みたいです。
なにしろいつも買ってくれる固定読者はもうあらかたゲットしてるでしょうし、出たばかりだからと手を伸ばしてくれた新規様も時間の経過とともに減る一方です。
つまり、詰んでます。
最終的にはもちろんこの後も売れ続け在庫も減る可能性がありますが、増刷期限の一ヶ月は過ぎてしまいます。
残念、青橋はまたも初版で終わってしまうのか?
すっかり動きが重くなったこの本、残りは4000冊。うち、店頭に3000冊。
先程は「3冊中2冊が売れた」と大雑把にも程がある説明しましたけど、無論、そうじゃないお店も多数のはずです。
ここでもし3冊中1冊しか売れず、追加発注かけてないお店があったとしましょう。
このとき、誰か心優しきどなたかが1冊買ってくださった場合、書店さんが追加発注してくれる可能性が生じるのです。1冊、あるいはそれ以上の数を。
つまり、1冊が1冊以上の価値を生む可能性があります。
また、ようやく最初の話に戻りますけど、閾値の問題も考慮したいところです。
増刷を決めるラインは7000冊、とひとまず設定しましたが、じゃあ6999冊ならダメなのでしょうか。
多分ですが、ここらへんは誤差だからゴーサイン出してくれるんじゃなかろーかと、私は勝手に思ってます。
じゃあ、6998冊はどうか? 6997冊は?
どこらへんまでが誤差の範囲なのか、つまり増刷をかける最低数は何冊なのか、これこそが閾値です。
でもこの値は、誰にもわかりません。わからないからこそ可能性があるのです。
自分が買わなくてもいいだろう、誰かが買うさ。
そんなスタンスではいけません。なにしろ閾値はわからないのですから。
もしかしたらあなたが買った1冊が閾値を超す1冊になるのかもしれません。
だから、本当に応援したい作品があれば、できるだけ買ってあげてください。あなたの手にした1冊が、あるいは本当に分水嶺の1冊という可能性は常にあるのです。
別に本に限りません。ゲームでも音楽でもBDでも、なんでもいいんです。特に絶対数が少ないものほど(たとえば最近のアニメBDとかエロゲとか)、あなたの応援がダイレクトに届きます。
嘘と思わないでください。具体的な数字は差し控えますが、本当にあなた一人の応援が大きいんです。ピンポイントで閾値を超える1冊・1本になるケースもあり得るのです。
さあ、いよいよまとめに入りますよ。
要するに……
暗殺メイドはメロメロです
青橋由高(著)・有末つかさ(イラスト)
美少女文庫
買ってください。
あ、いや、毎度のパターンで茶化してますが、結構真面目な話です。
本当に好きなものにはお金を使ってください。食事でも電化製品でも服でもサービスでもなんでも。
最終的には、あなたの好きなものを長生きさせる一番の近道だと思います。
なくなってからじゃ遅いんです。
当然、お金遣っても消えちゃうってのもあるんですがねえ。パナソニックのプラズマTVとか(涙)。
(注)
シンプルにするために敢えて無視した問題もありますし、現実と違う点も多々存在しますが、そこらへんに目くじら立てないでくださると嬉しいです。
あなた一人の力は実は大きいのですよ、という意図をお伝えしたかったのです。
たとえば、コップから水がこぼれるか否かのぎりぎりの量。
音が割れるぎりぎりのボリューム。
誰かを怒らせるぎりぎりの加減。
最後のは数値化できるかちょっとわかりませんが(笑)。
でね、これっていわゆるヒット作とかにも存在するんじゃないかと思うのです。
ま、なにをもってヒット作とするかという問題もあるんで、もっと身近で卑近な例として、「青橋由高の作品が増刷されるか否かの閾値」としましょう。
ふふふ、いつものように生臭い話になりますぜ?
わかりやすいように、キリのいい数字を使いますが、もちろん実際とは違いますのであしからず。
まず、とある新刊があるとしましょう。初版は1万部とします。現実にはもっと多いですが、計算しやすいからこれでいきます。
まずは1万部のうち8000部を書店さんに送りましょうか(現実には全部配本するのかな? どうなんだろ?)。2000部は在庫として倉庫でスタンバイ。たまにスタンバイのまま戦力外通告になる本もいる、という業界残酷物語は自重。
単純に考えると、この8000部が完売すると合格ラインに達するので万々歳でハッピーエンド。が、そんな甘い話はございません。少なくとも青橋は一度も経験してねえよ!(なぜかキレる)
書店さんに並べられたうち、そうですね、3冊中2冊が売れたとします。約5300冊売れて、消化率53%。
書店さんのいくつかは「お、なかなかいい売れ行きじゃないか」と追加発注かけてくれます(ここらへんの流れは実際と違いますがご容赦を)。
そしてスタンバイしてた2000冊のうち半分が出荷され、また2/3弱売れたとします。希望的観測すぎますけどね。
新たに売れたのが約700冊。トータルで約6000冊。消化率60%。増刷ラインまであと一割となりました。
……えー、事情を知ってる人はツッコミしまくりしたいところでしょうが、そこは生温かい目でスルーするように。本題はそこじゃないんで。
増刷ラインまであと冊数にして約1000。
6000冊売ったんだからあと1000くらい楽勝じゃん、と思ってはいけません。
まず、発売当初から売上の速度は通常どんどん落ちていきます。「ラノベは最初の三日間が勝負」なんてよく聞きますしね。私の本も似たような状況みたいです。
なにしろいつも買ってくれる固定読者はもうあらかたゲットしてるでしょうし、出たばかりだからと手を伸ばしてくれた新規様も時間の経過とともに減る一方です。
つまり、詰んでます。
最終的にはもちろんこの後も売れ続け在庫も減る可能性がありますが、増刷期限の一ヶ月は過ぎてしまいます。
残念、青橋はまたも初版で終わってしまうのか?
すっかり動きが重くなったこの本、残りは4000冊。うち、店頭に3000冊。
先程は「3冊中2冊が売れた」と大雑把にも程がある説明しましたけど、無論、そうじゃないお店も多数のはずです。
ここでもし3冊中1冊しか売れず、追加発注かけてないお店があったとしましょう。
このとき、誰か心優しきどなたかが1冊買ってくださった場合、書店さんが追加発注してくれる可能性が生じるのです。1冊、あるいはそれ以上の数を。
つまり、1冊が1冊以上の価値を生む可能性があります。
また、ようやく最初の話に戻りますけど、閾値の問題も考慮したいところです。
増刷を決めるラインは7000冊、とひとまず設定しましたが、じゃあ6999冊ならダメなのでしょうか。
多分ですが、ここらへんは誤差だからゴーサイン出してくれるんじゃなかろーかと、私は勝手に思ってます。
じゃあ、6998冊はどうか? 6997冊は?
どこらへんまでが誤差の範囲なのか、つまり増刷をかける最低数は何冊なのか、これこそが閾値です。
でもこの値は、誰にもわかりません。わからないからこそ可能性があるのです。
自分が買わなくてもいいだろう、誰かが買うさ。
そんなスタンスではいけません。なにしろ閾値はわからないのですから。
もしかしたらあなたが買った1冊が閾値を超す1冊になるのかもしれません。
だから、本当に応援したい作品があれば、できるだけ買ってあげてください。あなたの手にした1冊が、あるいは本当に分水嶺の1冊という可能性は常にあるのです。
別に本に限りません。ゲームでも音楽でもBDでも、なんでもいいんです。特に絶対数が少ないものほど(たとえば最近のアニメBDとかエロゲとか)、あなたの応援がダイレクトに届きます。
嘘と思わないでください。具体的な数字は差し控えますが、本当にあなた一人の応援が大きいんです。ピンポイントで閾値を超える1冊・1本になるケースもあり得るのです。
さあ、いよいよまとめに入りますよ。
要するに……
暗殺メイドはメロメロです
青橋由高(著)・有末つかさ(イラスト)
美少女文庫
買ってください。
あ、いや、毎度のパターンで茶化してますが、結構真面目な話です。
本当に好きなものにはお金を使ってください。食事でも電化製品でも服でもサービスでもなんでも。
最終的には、あなたの好きなものを長生きさせる一番の近道だと思います。
なくなってからじゃ遅いんです。
当然、お金遣っても消えちゃうってのもあるんですがねえ。パナソニックのプラズマTVとか(涙)。
(注)
シンプルにするために敢えて無視した問題もありますし、現実と違う点も多々存在しますが、そこらへんに目くじら立てないでくださると嬉しいです。
あなた一人の力は実は大きいのですよ、という意図をお伝えしたかったのです。
コメント
コメント一覧
好きな作品の応援として、購入するという行為は大切なんですよね…
長文失礼しました
私も手の届く範囲で買ってます。