
山口陽(著)・へるるん(イラスト)
美少女文庫
公式サイトはこちら(サンプルあり)
「さあ、誰からモノにするんだい?」
エロトークも冴え渡る先輩・澤城小夜。
着物で巨乳でお姉ちゃんな、東雲 唯。
唯一の常識人だったのに……愛染千夏。
三つ並んだお尻には、差し押さえ印&落書きが!
初体験から処女独占 Wフェラに交互突き ハーレム上等
お嬢様たちが贈る夢の4Pパーティ!
自意識過剰なんでしょうけど、最初タイトル見たときは「あれ、こんなの書いたっけ?」と素で思いました(笑)。別の世界線ではきっとそこの私が書いてる気がします。もっとも、内容は全然別のものになってるでしょうけれど。
さて、この「トリプルお嬢様を差し押さえ!」ですが、タイトルから予想したものとは違う展開をしていきます。
あ、あれ? 主人公が差し押さえくらってるよ? んんん?
そんなことを頭の片隅で突っ込みつつ、ページを捲ります。
トリプルヒロインものということで、どうしても「自分だったら」という観点で読んでしまいますが、私と違ってみっちり文章を詰め込むこともなく、ちょうどいい密度のテキストのおかげか、さくさく先に進めます。
ここらへんは山口さんの技量ですね。
文章に関しては全編通して気になるところはまったくなく、いい意味で安心&安定。
多人数ヒロインだとどうしてもキャラや設定の説明で序盤にページ食っちゃいますけど、まどろっこしい展開もなく、それでいてはしょった印象もなく、いい感じでエロシーンへ突入。見習わなければ。
面白いな、と思ったのは、二人目と三人目のヒロインをほぼ同時に、しかもかなり早い段階で登場させたこと。
これのおかげで全員揃うまでの時間(ページ数)を短縮できて、物語にスピード感が出ます。
さらにこの後のエッチも複数プレイがメインとなり、最後の4Pシーンまで怒濤の勢いで雪崩れ込みます。
各エロシーンもキャラ毎の特性に合わせてあり、エッチしつつ登場人物の描写もするという高等テク。
ページ数のわりにエロ濃度が濃く感じられるのは、ここらへんに理由があるかと思われます。
へるるんさんのイラストも可愛い&エロス。特にモノクロイラストの完成度の高さが素晴らしい。キャラの特徴も出てるし、テキストにもきちんと合ってます(ここ大事)。
そうそう、タイトルやカラー口絵の意味は終盤になってわかります。なるほど、そういうことだったのかと。
美少女文庫の2013年上半期、セールス上位というのも納得できる、ハーレムもののお手本となるような一冊でございました。
ところで……主人公のお父さんはどうなった(笑)。
コメント
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いわれてみれば父親の存在を忘れていました…その昔映画監督のアルフレッド・ヒッチコック氏が観客を惹き付けるために謎をいくつか投入してそれを解決させなくても、見終わったあとにそのことを忘れさせ家に帰って冷蔵庫を開けた瞬間に「そういえば」と観ている間は忘れさせたらこちらの勝ちというようなことをいったそうですが、自分は完全に作者の思惑にはまって忘れていました…
長文失礼しました
むしろ再登場して変な展開になる可能性もあったから、あのままドロップアウトしてくれてよかったようにも思います。