
青橋由高(著)・あまかわあきと(イラスト)
美少女文庫
公式サイトはこちら(サンプルあり)
(その1から続く)
今回のストーリーは、すっごく大雑把に言うと、
「出来のいい姉に囲まれて自信喪失気味の弟くんを行き過ぎたブラコンお姉ちゃんズが行き過ぎた愛情表現で立ち直らせるという大義名分の下エッチしまくる」
となります。
……自分で書いてて身も蓋もねーなーとちょっと落ち込む(笑)。
当初のプロットでは、実はもっとエグいというか、シリアスな設定でした。
完成版ではほとんど出番のない沖三姉妹の両親(つまり主人公の義理の親)も含めて、描かれなかったエピソードもいっぱいあったりします。
実の家族には恵まれず養子として迎えられた沖家では、
「血が繋がってない自分が優しくて綺麗で優秀なお姉ちゃんたちの足を引っ張ってるんじゃないか」
と思い悩む(そしてぶっ倒れる)義弟の啓司くんですけど、本当は彼がいたからこそこの家は今、幸せなんですよ……という、文章にすると妙に偉そうな流れだったんですよ。
最終的にはいつものようにページが足りなくなってざっくりはしょりましたけどね!
両親が妙に啓司に優しいのは、かつて自分たちが崩壊しそうになったとき、この義理の息子がいてくれたおかげで助かった、という理由もあるのです。
娘たちに厳しいのは、まあ、当然ですね、あんなことしてりゃ(笑)。
ちなみに啓司という名前は当初「啓次」でした。
担当さんからは次男坊っぽいから変えて、と言われましたけど、それは当然なのです。だって、啓司には実の兄がいたんですから。ろくでもないカスが。
本筋には関係ないしページも足りないしでこれまたさっくりカット。
とにかく啓司くんは実の家族にまったく恵まれてなかった、と思ってくださればオッケーです。
だからこそ優しいお姉ちゃんたちにコンプレックス感じちゃったんですね。大切すぎるからこそ。
なお、お姉ちゃんズが啓司を「けーくん」「ケイ」「啓ちゃん」と誰一人「啓司」と呼ばないのは、ここらへんに理由があります。
最初の設定通り「啓次」と呼ぶと、次男であったことを思い出させるから、というお姉ちゃんたちなりの優しさなのです。
啓次から啓司に変更してもここらへんは残しておきました。
啓司の患った病気も変更してあります。
本当は、もっとエグいというか、重いものでした。
ここも担当さんが「あまり暗くしないで」と言うし、私も「別にそこまでしなくてもなー」と考え直して、最終的にあの形に落ち着きました。
病状とかそこらへんは、完璧に私の経験したものです。
だからつい、リアルに、というか、仰々しく書きたくなっちゃったんでしょうね。
エンターテイメント作品なんで、そこらを修正したのは正解だったと思います。
(その3に続く)
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