「強奪中 姦禁マンション」 吉見晶

強奪中　姦禁マンション
吉見晶
フランス書院文庫

公式サイトはこちら（サンプルあり）

純情すぎるほど清楚で上品な佇まいの従姉妹・桜子。
幼い表情に似合わず張りだした乳房や双臀が悩ましい。
柔肌を剥き出しにした20歳の誕生日を境に、処女を奪い、開花した「女」を自分好みに躾ける飼育生活が始まった。
貫かれるほどに洩らす喘ぎが甘い色を帯びてくる頃、その痴態を妹の咲希が身を震わせながら覗いていた……。

　タイトルとかからの印象でダーク系かと思って読み始めますと、なんか私が書きそうな感じのスタート。
　おおっ、この幸せそうな3人にエロいヤツが割り込んでくるんだな、このおっさん、寝取られちゃうんだなゲヘヘ、などと思ってたら……おっさん主役だった(笑)。
　おおっ？、とあらすじ確認すると……あ、なるほど、そーゆー話なのかと遅まきながら納得。
　でもこれ、ジャンルとしてはどっちなのかな。誘惑系と凌辱系の中間って感じ？ ４：６、３：７って比率？
　なかなか微妙で、でもそこが面白いですね。

　作者の吉見晶さんはこれがデビュー作のようです。
　セリフ回しとかに独特のセンスがあって、私は好きですね。ちょっと作者の年齢が読めない。

　設定が突飛だったり特別派手なストーリー展開があるわけでもなく、むしろ淡々と話は進むのですけれど、その分じわじわとヒロインが調教（？）されていくところがじっくり描かれていて興奮します。特に前半パート。後半はもうちょっとページ欲しかったかな、という印象。他人事とは思えない。

　いくつか「ここはこうしたほうがいいかも？」、などと自分のことを棚に上げて感じた点もありますけど（主に技術的なこと）、そんなもの気にならないくらいにエロいパトスが迸っております。かなりのエネルギーを感じました。
　読者を昂ぶらせてなんぼの世界です、ここは凄いと思いました。私の作品なんぞよりずっとエロい。

　それにしても……これ、ジャンル分けに悩むなぁ(笑)。