青獣の美餌青獣の美餌 友達の母を、担任女教師を
宮坂景斗
フランス書院文庫

公式サイトはこちら(サンプルあり)
「すごいフェロモンだね。犯してって女体が叫んでるよ」
クロッチに指先で円を描けば、弾けこぼれる濃厚な牝香。
息子の友人に貪られ、美しき餌に堕ちていく母・香織。
あどけない少年の凶棒が34歳の理性を奪いつくしていく。
肉調教の果て、成熟した女体が年上の美囚と化したとき、担任女教師24歳を巻き込む、さらなる淫獣の運命が!

 フランス書院官能大賞・特別賞受賞作家の作品ということで、公式サイトの紹介を読んでもその期待の大きさが感じられます。

 このデビュー作が問題作であることは、読み始めてすぐにわかりました。だって主人公が**生なんだもん!
「思い切ったことするなー」なんて思いながら読み進めると、この作品が問題作であるのはそんな表面上の設定だけでないのが理解できました。

 未読の方のために敢えて内容には触れませんが、ストーリーは中盤から大きく変わりますし、なによりも文章や描写が圧倒的です。
 ただ、ここらへんは好みも問題もあるので、読者によっては受け付けない人もいるかもしれません。私はこういうのが好きだから、いい意味で「圧倒的」でしたけども。
 内容も、いくらか人を選ぶ可能性も否定はできませんし。

 作品自体を評すると、よくも悪くもパワフルです。
 デビュー作によく見受けられる、自分の持っている力や属性、好み、メッセージを「これでもか!」と詰め込んだ印象は確かにあります。
 ちょっと整理されてないかな、という感じもなくはないですが、それを遙かに上回るパワーと熱がここには存在します(今やすっかり売れっ子となった上原りょうさんのデビュー作を読んだときの印象にちょっと近いかもしれません)。
 2作目以降もこれを維持できたとしたら、正直、本当に驚異的です。

 今後がどうなるか若干の不安と、その何倍もの期待を抱かせるだけのインパクトに満ちた1冊でした。