阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった――!?
大人気シリーズの第一作!
『物語』はここから始まる!!
(講談社とは関係ない)編集者からオススメされたので半分義務感で読み始めたのですが、正直、最初の数十ページはフツーでした。文章が軽快で、いい意味で「遊んでる」なー、とは感じてましたが、その程度。
そんな斜に構えた私を一気に虜にしたのは、ヒロインである戦場ヶ原ひたぎの突然のデレモード(と言うと語弊があるか!?)発動からでした。
卑怯だよ、これ卑怯すぎるよ! こんなことされたら読むしかないじゃん!
阿良々木暦が直面する、完全無欠の委員長・羽川翼が魅せられた「怪異」とは――!?
台湾から現れた新人イラストレーター、“光の魔術師”ことVOFANとのコンビもますます絶好調!
ここらへんになると、もう逃げられません。次々と登場するキャラ(女の子ばっかりだ!)との掛け合いがたまらなく面白くて、ぐいぐいと読ませます。
ストーリーは決して軽くなく、むしろ重いのですけれど、絶望と諦めるわけでもなく、かと言ってわざとらしい大団円を目指すわけでもない、非常に絶妙なバランスの上に物語が立っています。
その軽妙な文章がうまい具合に重さを中和しているのですが、誤魔化すための中和ではなく、引き立たせるための調味料となってる点が卑怯なまでに巧いです。
高校生・阿良々木暦は、ある日、血が凍るほど美しい金髪の吸血鬼と出遭ってしまった……!?
彼女がいなければ、“化物”を知ることはなかった――
『化物語』の前日譚は、ついにそのヴェールを脱ぐ!
時系列的には「化物語」の前がこちら。これ読むと「化物語」をもう一度読みたくなります。少なくとも私はそうでした。今、読み返してます。
「化物語」読むと誰もが疑問に思うのが忍という「少女」の正体ですが、それがこの「傷物語」では明らかにされます。
あー、なるほどと。
冒頭で「これはバッドエンドの物語」と宣言してあるとおり、確かにバッドエンドです。けれど、それは巷にありふれている鬱や嫌悪感を催させるような低俗なものとは違う「重さ」であって、不快感はありません。
吸血鬼の少女ってことで、つい「恋姫」(人気投票1位ありがとうございました!)を思い出しちゃいましたが、私のが砂糖たっぷりのお菓子だとすれば、こちらは酸っぱさの中に甘みが漂う野生の果実って感じでしょうか。
私はどっちも好きですけどね。
‘ファイヤーシスターズ’の実戦担当、阿良々木火憐。暦の妹である彼女が対峙する、「化物」ならぬ「偽物」とは?
「化物語」の後日談が、今始まる。
そしてこちらが最新作。下巻が出たら(夏頃みたいですね)、まとめて感想書きます。
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