マリア様がみてる 卒業前小景
今野緒雪

近づいてきた、三年生の卒業。祥子や令、それに新聞部の三奈子もリリアンを卒業していってしまう。祐巳や由乃、真美、桂たち在校生は、それぞれ複雑な想いを抱えながら、卒業前の一日を過ごすが…。

 いよいよ迫った卒業式の前の短編集っぽい連作。
 主要キャラから脇役までの短いエピソード集って感じです。

 今野さんは相変わらず伏線を最後にまとめる構成が巧みで、今回は特にそれが顕著です。

 私はミステリ読みなので、ちょっとでも気になる箇所があると「お、これ伏線だな。ってことは、最後はこう持っていくのかな」などと無粋な推測をするクセがあるのですけれど、今回は3つくらいしか的中しませんでした(美術部編のオチとか)。

 でも、自分の予想をいい意味で裏切られるのは、ミステリでなくても気持ちがいいものですね。すっきりとしていて、そして美しい構成の本でした。


 あ、でも、私が一番嬉しかったのはあとがきだったりします。
 私も「脳ドリル2」であのおまけゲームをやるために毎日DSのスイッチを入れていましたから(笑)。