美教師 −胸騒ぎの放課後−
草凪優

千石和哉は学園のお荷物と言われている高校教師。しかし、お嬢さまで清楚な学園のマドンナ教師・小笠原美咲から好意を寄せられている。美咲の家に招待された和哉は彼女と抱き合うのだが、あるトラウマが原因で最後までいけなかった。そんな中、突然学園に新任教師として和哉の血の繋がらない妹・美佑が赴任してくる。美佑は留学帰りで兄妹にとって五年ぶりの再会だった。そして、和哉のトラウマにはこの義妹との過去が関係しているのだった。和哉の気持ちは美咲と美佑の間で揺れ動いて…

 竹書房さんからまたまたいただいた1冊。いつもありがとうございます。

 まだそんなに何冊も読んだわけではないのですが、草凪さんの描く主人公は、あまりかっこよくはないですね……一見。
 今回もあらすじにあるように、決して生徒や教職員から評価の高い先生ではありません。作中、ある人との決闘シーンという、ある意味一番の見せ場もあるのですが、そこでも、

「ええー!? し、しまらないな、おい……」

 というような結末になります。

 ただし、このままただの情けない主人公で終わらせないところが草凪さんの絶妙なところです。
 決闘した相手とのその後の関係とか、義妹への想いをどうにか整理しようとするところに、「大人のかっこよさ」を感じてしまうのです。

 男なら誰でも持っている、そして多分死ぬまで消すことができない「ガキの部分」を残しつつも、けれど越えてはならない一線(常識であったり、相手への敬意・思い遣りなど)は絶対に破らない「大人の部分」。
 そんな二つの部分を常に併せ持った主人公に、読者はハラハラしたり、共感したり、ときどきイライラさせられたり、けれども最後には応援したくなっちゃうのです。

 官能小説だから女性の描写さえやっておけばいいだろうというのは、私はちょっと違うんじゃないとか考えます。
 読者の多くは主人公に感情移入するでしょうから、その対象である主人公の造形をないがしろにはできないはずです。
 これは、凌辱系であっても基本的には同じだと思います。そりゃ、当然例外はあるでしょうけどね。


 おっと、なに熱く語ってんだ、私(^^;


 エッチシーンに関して言えば、実は特別エグいシチュエーションはなかったりします。
 けれど、それにも関わらず、エロいんです。
 ねちっこい描写でもないし、特殊な表現を使ってるわけでもないのですが、丁寧に、けれど的確に読者の想像力を刺激する洗練された文章が二人の(正確には三人)教師たちとの濡れ場を盛り上げてくれます。


 余談ですが、私は文章力の拙さを誤魔化すために、ひたすらシチュエーションとか設定でエロさを水増ししております。まさにエロの偽装問題。ごめんなさい。


 物語の結末は、ちょっとだけ意外な展開でした。
 よくよく考えれば、確かにこうなるかな、と。
 どうしても「自分だったらどんなふうに書くか」って考えてしまうんですよね。悪いクセです。