狼と香辛料
支倉凍砂(著)・文倉十(イラスト)


幸福というものに形があるとしたら、これが、そうなのかもしれない……。

リュビンハイゲンでの騒動が丸く収まったことを祝し、ホロとロレンスはノーラと共に食事をしていた。
しかし、体調を崩したホロは、不覚にも宴会の最中に倒れてしまう。
そんなホロを見て、ロレンスは看病をしようとするのだが……?
シリーズ初のホロ視点で語られる書き下ろし「狼と琥珀色の憂鬱」ほか、ロレンスと出会う前のホロの旅を描いた「少年と少女と白い花」、港町パッツィオでの二人の買い物風景「林檎の赤、空の青」など、「電撃hp」 に掲載され好評を博した2編を収録。
絶好調の新感覚ファンタジー、“色”をテーマに綴られた珠玉の短編集が登場!


 シリーズ初の短編・中編集。
 過去の話ばかりですが、どれも今までの長編とは違った魅力に満ちています。

 3作ありますが、やはり一番の注目はホロ視点の書き下ろし「狼と琥珀色の憂鬱」でしょう。

 ホロの心情を前面に押し出すのは色々と難しいんじゃないかな、などと思いつつ読んだんですが……いやぁ、いい意味で予想を裏切られました。よくぞここまでという感じに飛ばしてくれてます。

 あとがきで支倉さん本人も書いてましたが、作者が楽しんでるのが読者にもひしひしと伝わってきて、実に面白かったです。

 余談ですが、冒頭の「少年と少女と白い花」を、(ロレンスと別れた後の)未来の話と勘違いしたバカ野郎はこの私です……。