金魚屋古書店 6
芳崎せいむ


 古今の実在のマンガが登場する実に面白い作品なのですが、この6巻に収録された「本が好き(前後編)」ってエピソードが特に気に入りました。

 「差し」、つまり本棚に並べられた本のラインナップのことですが(この説明で合ってるのかな?)、これって本好きの人間にはとても重要なんです。少なくとも、私は書店(の、自分の興味あるコーナー)の差しを見てその店を(勝手に)判断します。

 現在、リアル書店は苦戦続きです。私も書籍の大半はBK1での通販(大量買いするので、持ち帰るのが辛い)ですが、それでも雑誌を中心に、できるだけお気に入りの書店で購入するようにしています。

 ただ、そのお気に入りの書店はかなり少ないです。
 私はもう20年ほど千葉の船橋に住んでいますが、昔は本といえば船橋東武の旭屋書店(でいいのかな、店名)でした。船橋に出ることがあれば必ず立ち寄り、なにかしら買っていたものです。

 その後、津田沼に次々と書店が進出し、次第にこちらを利用することが増え、今ではもう船橋で本を買うことはほとんどなくなりました。例外はときわ書房本店くらいですね。ここの2階はなかなかディープな品揃えで、実にいい感じです。成年コミックもちょっとですが置いてありますし。
 もっとも、美少女文庫の取り扱いが少ないのが難点。よろしくお願いします、ときわ書房様。

 さて、気づけば書店だらけの素晴らしい街・津田沼ですが、やっぱりしなの書房別格ですね。
 ここ、小さいですがエロ関連書籍が凄いことになってます。フランス書院の本も山ほど! もちろん美少女文庫もいっぱい! 近隣の方は是非一度足を運んでください……入るのにちょっと勇気が必要ですが(笑)。
 ガキの頃、普通の書店だと思って入店して、えらいドキドキした思い出があります。

 一般書店での青橋のイチオシは、パルコの中にある芳林堂書店です。

 スペースもそこそこ広い(津田沼にはもっと広い書店が複数ある)のですが、なんといってもここは品揃えが実に私好みなのです。
 そう、「差し」が(青橋的に)素晴らしい! のです。ようやく最初の話題に戻りました。

 まず一番の理由は、美少女文庫を始めとするエロライトノベルのコーナーがある!
 津田沼で美少女文庫をきちんと扱ってるのは、多分しなの書房とここだけですね(違ったらごめんなさい。情報求む)。
 本当にありがたいです。いつかこの棚を担当されてる方にお礼を申し上げたいくらいです。

 さらに、コミックのラインナップが充実しています。
 どこの書店でも売ってるような(誰でもわかるような)タイトルばかりでなく、
「ぐふふ、ここの担当者、わかってやがるぜ」
 と、思わずニヤリとさせられる品揃えです。
 特に4コマの入荷数が多いので重宝しています。
 コミック雑誌も種類が多いですね。探し物がある場合、ここに行けばだいたい置いてあります。
 そーいやコミケカタログも売ってたような……?

 他の書店では文庫以外ないがしろにされがちなミステリのハードカヴァーや新書もしっかり置いてあるのも好感度高し。

「ああ、わかってる人が管理してるんだな」
 そんなふうに感じさせてくれる「差し」を見ると、ついつい財布の紐もゆるむってもんです。

 本好きの人間は、実はそうなることを望んでるんですよ、財布を軽くしたくなるような棚を見せてくれって。

 ネット書店では味わえない素敵な出会いを求めて、私たちは本屋に行くのです。


 あ、一つだけ芳林堂に文句言うことがありました。
 以前、「週刊競馬ブック」購入したんですが、思い切り先週分でした。あれはちょっとショックだった(笑)。

 津田沼に立ち寄ることがありましたら、是非一度、あちこちの書店を回ってみてください。
 あなたの横にいるのが私かもしれませんしね。