イケない女教師イケない女教師 僕の好きな先生
橘真児

大学を中退した頸城野正樹の元に高校時代の同窓会の案内状が届く。正樹はかつての憧れの担任教師・蒲池奈々美が参加すると聞き期待して出席するが、彼女と再会して唖然とする。現在、三十代のはずの奈々美が若返っていて、二十代前半にしか見えないのだ。その後、ふとしたきっかけで奈々美と一夜を共にした正樹は、彼女と同棲することに。そして、奈々美の身体の秘密に気付き始めて…。
“艶熟”の三十代から“成熟”の二十代、そして“早熟”の十代までと変化する女肌!官能界注目の俊英が生み出した新感覚のファンタスティック・エロス!


 竹書房の編集部からいただいた一冊です。ありがとうございます。

 この作品には一人のヒロインしか出てきませんが(正確にはもう一人いますが、便宜上割愛。ごめんっ)、ある設定のおかげで、3パターンの女体(笑)を楽しむことができます。
 これって凄く斬新だと思いました。

 男って贅沢だから、どうしても色々なタイプの女性を味わいたいと思うわけです、純粋に性欲だけで考えると。
 だから官能小説では複数のヒロインが登場する作品が多いのですが(私なんかはその典型)、一人一人のキャラに割けるページが減るのは避けられません。

 その点、この作品のヒロインは一人なので、じっくりとそのキャラが描写されています。しかも特殊設定のおかげで、単独ヒロインなのに3つの年代の肉体を堪能できます。まぁ、なんてお得! まさにいいとこどり!

 この設定を、心理描写でも利用しているところはさすがです。
「やっぱり若い子のほうがいいんだわ。このロリコン」
 こんなセリフを歳上の女教師に言われちゃったら、そりゃ萌えますって。大人の女性のヤキモチって、可愛いですよね?

 物語も起承転結、見事に練られています。特に終盤の泣かせる展開は(ラストはある程度わかっているにもかかわらず)ぐっと来ました。

 主人公が好青年なので、嫌悪感を抱くことなく(むしろ好感を覚える)すいすいと読み進められます。

 また、イヤミなところも皆無なので、読者は存分にエロスと癒しを楽しめるというわけです。エンターテイメントとして、ここは凄く肝要です。


 サブタイトル(「僕の好きな先生」)と最終章のタイトルが個人的には凄く気に入ってます。美しいですよね、こういうの。大好き。


 私の好みと非常に合った秀作でした。
 官能小説を書こうという方には、是非参考にしてもらいたい1冊です。設定こそちょっとだけ特殊ですけど、本質的にはいい意味でスタンダードな構成ですから。