UFO大通り
島田荘司


御手洗潔、疾走(はし)る!
中編2作収録

「石岡君、象みたいにもたもたするんじゃない、こうしている間にも、人の命が失われるかもしれないんだ」

「これは極楽寺坂だ。鎌倉幕府が開いた切り通しを、今LPガス車で抜けていく。この道ができて1000年も経つのに、われわれの移動手段に大差はない。ぼくにジェット・ヘリを1機くれたら、日本中から迷宮入りの事件なんてなくなるのにね!」――<本文より>


 久々に読んだ御手洗潔シリーズは、中編が2本。
 一本目の「UFO大通り」は、いかにも島田荘司!というノリ。
 冒頭の警官の日誌だけでもニヤリとしちゃいます。ああいう文章をさらりと書けるのは凄いと素直に感服。この警官が最後には……というところもいいですね。

 もちろん、冒頭に現れる幻想的な風景と謎(この場合はUFOと宇宙人)と、それらを論理的に収束させる謎解き編も見事。力業的なところを嫌う人もいるかもしれませんが、私は全然気にしません。むしろ好き。これぞ島田節。

 もう一本の中編「傘を折る女」ですが、ミステリとしてはこちらのほうが好きですね。
 冒頭の謎(傘を車に折らせる女)に関してはすぐに「ああ、こういうことかな」と察しがつくんですが、物語半ばで早くも犯人視点で謎解きスタート。
 「おいおい、この調子じゃ、ページ余っちゃうよ?」
 なんて心配してたのですが、そこから別の謎が登場。これにはちょっとびっくりしました。

 個人的には、ラストシーンが好きですね。私は犯人に同情。


 ミステリとしての面白さはもちろんですが、ファンとしては、やっぱり御手洗さんと石岡君のコンビを読めることが一番嬉しかったりするのです。

 御手洗さん、そろそろ石岡君の元に帰ってきません?