秘密 -ときめき夏休み-
草凪優


皆川亮太郎は東京の大学に通う童貞の19歳。
憧れて上京したが都会に馴染めず、傷心の気分で夏休みに帰省する。
高校時代の同窓会に参加した帰り道、幼なじみでクサレ縁の木村郁美と老猫を助けると、飼い主の占い師からお礼になんでも願い事を叶えてあげると言われ、郁美は「一度、男の子になってみたい」と答える。
翌朝目が覚めると、なんと亮太郎と郁美の体が入れ替わっていた!
女になった亮太郎のめくるめく性の冒険が始まる…
注目の作家が贈る新感覚の青春快感ストーリー!!


 前回「ふしだら天使」を読んだときに「読まなきゃよかった」と打ちのめされた草凪優さんの最新刊です。今回も「また自信喪失するんじゃないかな」と脅えつつ読みました。
 ただ、あらすじ読んで「なんだ、男女入れ替えネタか。そっち系は得意じゃないから平気かな」と高をくくってたのも事実。
 が、そんな予測は全くのハズレでした。

 まず、入れ替わりはメインじゃありません(そりゃそーか)。序盤と後半に少しだけです。しかも、ちゃんと工夫されていて、普通に面白いのが悔しい。ちっ。

 この類の一般官能小説だと多くの女性キャラとの絡みを書くためどうしても一人一人のキャラの扱いが薄くなりがちなんですが、エッチしたあともちゃんと作中でフォローされてるため(先生除く)、ヒロインたちの印象がきっちり残ります。上手い構成だな、と、正直嫉妬。ちっ。

 これは多分草凪さんのこだわりなんでしょうけど、ヒロインたちのスタイル(外見や肉体的な特徴)が意識的に書き分けられてるのもいいですね。ここらへんは私も執筆する際に意識してる点ですが、それがよりはっきり現れてる気がしました。ここらへんが筆力差。ちっ。

 気になったのは、主人公のヘタレ具合。後半、幼なじみの郁美にある約束をさせられるのですが、コイツ、逃げやがります(笑)。
 ラーメン屋であるキャラと出会うのですが、私は、
「これ、郁美の罠なんじゃ?」
 とか思っちゃいました。違いましたけど。

 でも……まあ、確かに逃げるかなぁ。なにしろ自分で(以下、ネタバレなので削除)。

 364ページもあるのですが、それを感じさせないテンポのよさはさすがだな、と思いました。美少女文庫もこれくらいの分量で書かせてくれないかな、とも思いましたけど。
 どーせ印税一緒なら、いっぱい書いたほうが読者の満足度も高い気がするんですけどね。だらだらするのは逆効果、とか言われそうですけど。特に私の場合。

 青橋のお気に入りはさつき先生。でも、一番扱いが少ないの