我が家のお稲荷さま。
柴村仁(著)・放電映像(イラスト)

第10回 電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞作
世にも美しい白面。 その賢しい狐の正体とは……


その昔――、一匹の大霊狐が三槌家の守り神に祀りあげられた。
名を空幻といい、ありとあらゆる術を自在に操る、たいへんに賢しい狐であった。
だが同時に、騒動が大好きでもあり、いたずらと呼ぶには悪辣すぎる所業を繰り返す空幻に業を煮やした三槌の司祭は、七昼七晩かけて空幻を裏山の祠に封印したのだった。
そして現在――未知の妖怪に狙われた三槌家の末裔・高上透を護るため、ついに空幻が祠から解封された……のだが、その物腰は畏怖された伝説とは裏腹に軽薄そのもの。
イマドキの少年である透からは『クーちゃん』と呼ばれる程で……。


以前から気にはなってたんで、ここ最近の「ライトノベル強化期間」に合わせて購入しました。すでに最新刊(5巻)まで大人買いしてあることからわかるように、しっかりハマっております、青橋。

でもですね、実は最初の20ページくらいまで読んだ時点では、
「なんじゃ、この衒学的な文章は!」
なんて、ちょっとマイナス評価だったんですよね。
まあ、そんなのは50ページくらいになった頃には綺麗に霧散して、思い切り引き込まれておりましたが。

ほぼ全てのエンターテイメント系作品に言えることだとは思うんですが(例外があることも当然わかってますが)、やっぱり序盤の50ページくらいまで読んで「面白い!」もしくは「面白くなりそうだ!」と読者に感じさせないとまずいですよね。だって、最後まで読んでもらえなくなるかもしれませんから。
その点、この「お稲荷さま。」は素晴らしく出来がいいです。序盤こそゆったりとした感じですけど、そこからはぐいぐいと読者を引き込む展開の連続です。
決して派手な話ではないですが、でも卓越した構成と文章で読者を飽きさせません。
なによりクーちゃんがいいのです。愛らしいのです。他のキャラも凄くいいです。オススメです。