やさしくて淫らな五人の未亡人やさしくて淫らな五人の未亡人
青橋由高(著)
フランス書院文庫(公式ページはこちら

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未亡人となった教え娘と十数年ぶりに再会し……
旅先のフェロモン未亡人に筆おろしされ……
夫の月命日に、喪服を脱いで濃厚ご奉仕を……
美しきシングルマザーと亡夫の連れ子が……
郁美、日菜子、瑞希、睦美、優衣……
清楚な美貌の奥に淫欲を秘める五人の未亡人!

その1から続く)

 短編の掲載元である「特選小説」誌からの依頼時には、だいたいテーマが提示されます。たまにフリーなときもあります。よって、短編の題材はばらばらです。まあ、読者層から、人妻とか熟女が多かったりはしますけど。
 
 でも短編集として出す場合、タイトルも含めて、ある程度はテーマが統一されてると便利です。絶対条件ではありませんけどね。
 んで、今回は編集部から「未亡人」というテーマを打診されました。未収録短編のストックにも何本かあったし、ちょうど依頼をいただく直前に未亡人がヒロインの作品(「黒衣の未亡人」)を書いた直後でもありましたので。

 企画段階では、今回再録された3本に1本書き足して「四人の未亡人(仮)」、という感じでした。
 ただ、ちょうど「未亡人母娘」って設定で書きたいネタが思い浮かんだので(当時のメール見たら、ちゃんとそう書いてあった)、ヒロイン5人で、となりました。

 よし、どうせなら母と娘で分けよう、書き下ろし2本になるけど、いつものことだ(諦観)と、大雑把なプロットを決めました。へへへ、未亡人母娘だぜ、背徳の極みだぜ、ぐへへへ……などと浮かれる私はこのとき、恐ろしいヘマをやらかしました。

 己の重大なミスに気づいたのは、実際に作業を始めてからでした。
「ん? なんか分量、少なくね?」
 テキストエディタに流し込んでみたところ……
「げ。再録分、全体の半分しかねえぞ!?」
 つまり、残りの半分は書き下ろさなければならないのです。
 バカか私。普通、最初に計算するだろうに。

 ま、書き下ろしが増えるのは別にいいんです。ある意味歓迎です。ページ数気にしないで書けますからね。
 よーし、だったら書くのを諦めてたシーンとかアイディアも詰め込んじゃうぞー、うへへへー……などと浮かれる私は再び、恐ろしいヘマをやらかしました。

「あ……あれ? なんか分量、多くね?」
 書き下ろしの母娘未亡人ネタを、母編・娘編・母娘編の3本に分ける予定だったのですが、今度はページ数が足りなくなりました。バカです。大バカです。一度、人生やり直したほうがいいですこいつ。

 メインのストーリーはそのままに、前編・後編と分けることで構成を変更。
 これでもかなりページ足りなくて、作業の終盤の一週間くらいは、ひたすらテキスト量を圧縮する作業でした。効率悪すぎる……。

その3に続く)