通常サイズ青橋由高短編集 姫騎士は二人ともエロエロです(18禁)
青橋由高(著)
青橋商店
文庫サイズ、96ページ、イラストなし

委託……オータムリーフメロンブックスとらのあなこみっく軸中心派DMM
フランス書院美少女文庫から発売された「異世界でハーレム始めました」と「魔剣の姫はエロエロです」の後日談。ヒロインの姫騎士2人が作品に登場したアイテムを使われてエロエロに!シルヴィアはビキニアーマーを、シーラは疑似妊娠の魔法でそれぞれ痴態を晒しちゃいます。

 青橋商店28冊目の同人誌。2015年の冬コミで配布予定。

 イラストやカラーカバーなしの、いつものやつでございます。
 80ページにまとめたかったのですが、書いてたら勢いがついちゃってちょっと増えました。

 元ネタは以下の2作品。

通常サイズ異世界でハーレム始めました
青橋由高(著)・有末つかさ(イラスト)
美少女文庫

自己解説はこちら
通常サイズ魔剣の姫はエロエロです
青橋由高(著)・有末つかさ(イラスト)
美少女文庫

自己解説はこちら

 この2作品、一応、同じ世界ということになってまして(ただし距離はすっごく離れてます。具体的には日本と北欧くらい)、だったらお互いのキャラが遭遇したらどうなるかな……というのがきっかけです。
 ただし、同じ異世界でも結構色々違ってます。特に魔族・モンスターの扱いが。
 まあ、設定は一応考えてありますが、気にしないでください。面倒だし(暴言)。

 サブタイトルにあるように、メインはそれぞれの作品の姫騎士であるシルヴィアとシーラです。
 狂言回し的な立ち位置には腹黒エルフのニナがいて、あとは主人公サイドからはエロゲマスターの奨。
 もう一人の主人公であるエリクくんはちょっと影薄いですかね。シーラとエッチはするけど。

 「異世界でハーレム始めました」に出てくる孕み種という魔法植物と、「魔剣の姫はエロエロです」の表紙にもなってるビキニアーマー、それぞれの作品のエロアイテムを交換したら、というのが基本骨格となります。
 作中では2つのエロシーンがありますが、シルヴィアはビキニアーマー着用の上、ニナに覗かれながらという羞恥プレイを、シーラは疑似妊娠させられた状態でエッチしちゃいます。
 もう、完全に私の趣味。

 本当はニナも絡ませたかったのですが、ページと時間と気力の限界で今回は断念。
 どっかでニナを、そしてオリガやソニアも絡ませたいと思ってます。

 なお、作中にメイド長さんがちょろっと出てきますが、彼女に関してはこちらの同人誌でエロエロしております。

表紙(仮)青橋由高短編集8 異世界でハーレム続けてます(18禁)
青橋由高(著)
青橋商店


 以下、序盤のサンプルです。
(序盤のサンプル)


第一章


 寒いを通り越して痛いくらいの風の中、巨大なドラゴンの背中に乗った小増奨は、かちかちと歯を鳴らしながらも、眼下の景色を油断なく注視していた。
「どこまで行っても木ばっかりで飽きるな、さすがに」
 奨の視界の下半分は、延々と続く広大な森で占められている。
「大丈夫か小僧。そろそろ戻るか?」
 奨にそう声をかけてきたのは、彼を乗せて空高く飛んでいるドラゴンだ。
「ああ、まだ粘りたい。悪いが、もう少し付き合ってくれ」
「かまわん。儂はこの程度の寒さなど気にならんし、老いたとはいえ、まだまだ体力にも余裕があるぞ。なんなら、明日の朝まで飛んでみるか?」
 ぐぐぐぐ、と巨体が重々しく振動したのは、笑ったためらしい。
「勘弁してよ。こっちは脆弱な人間なんだ、あんたみたいなドラゴンに付き合ったら速攻で死ぬって」
「我らの王を屈服させておいて脆弱とはな、笑わせてくれる」
「あれは屈服、なのかなぁ」
 このドラゴンの王とは、現在、奨の妻の一人である魔王オリガのことだ。
「たまに、どっちが主人かわかんなくなるぜ?」
「夫婦とはそういうものだ……」
 生物の頂点と言ってもいいようなドラゴンが発したどこか弱々しい声に奨が食いつく。
「お? あんた、奧さんいるの?」
「ああ。五百年ほど連れ添ったのがいる」
「五百年……想像できねぇなぁ」
 寿命が違いすぎて、ただの大学生(現在休学中)の奨にはまったくイメージできない。
「苦労、してんだな……」
「ああ……」
 ここ最近、行動を共にすることが増えていた相棒と初めて心が通ったような気がした。
「子供はいるの?」
「息子と娘が一人ずついる」
「へぇ」
「娘はお前も知っているはずだぞ」
 この異世界にやって来てから見たことがあるドラゴンは他に数体しかいない。かつて、結婚式のためにチヴァ王国から魔界へと向かう際に乗せてもらった中型のドラゴンを思い出す。
「あいつらの中の誰かか! ダークエルフの姉ちゃんが乗ってた!」
「お前らしい認識だな」
 また笑ったらしく、頑強な鱗に覆われた巨体が震えた。
「ちなみに、息子のほうはなにしてんだ?」
「ふん、あのどら息子は二百年ほど前に家出をしたっきりだ」
「家出の理由は?」
「俺はオヤジとは違う、もっとドラゴンらしい龍生を歩むんだ、などとほざいておったな」
「お、おう……」
 ドラゴンの世界も人間とそう変わらないんだな、大変なんだな、男親って寂しいな、俺も将来こんな感じになるのかな、などと色々と考えさせられてしまう。
「ドラゴンらしいって、どんな感じなんだろうな? 俺の知ってるフィクションの世界だと、悪の限りを尽くす、モンスターの中のモンスターってイメージだけど」
「ドラゴンも色々だからな。人間と同じだ」
「じゃあ、やっぱそういう感じのもいるのか?」
「儂の知っている魔界にはもうおらんな。いたとしても、すぐに魔王様に倒されるだけだろう」
「普段のオリガを見てると、あいつがめちゃくちゃ強い魔王って事実をつい忘れちまうんだよな……」
 魔王オリガは今頃、チヴァ城の自室でタブレット片手にアダルト向けブラウザゲームを楽しんでいるはずだった。
(エロソシャゲに重課金してる魔王っていったい……)
 あの魔王はどこへ向かおうとしてるのか、主であり夫でもある奨は一抹どころではない不安を抱く。
「……ん? 悪い、少し戻ってくれないか? 今、なんか妙なもんが見えた気がする」
「うむ」
 家庭の問題を抱えたドラゴンが空中で旋回をする。奨が地上を観察しやすいようにと、高度も下げてくれた。
「なあ、あそこになんかないか?」
 上空の強い風対策に購入したゴーグル越しに目を凝らす。
 辺り一面、深い森が続いてる中に、ぽつんと木々が途切れている箇所があった。
 よく見れば小さな建造物が確認できる。
「あれ、完全に人工物だよな? 小屋、か?」
「……ふむ、確かになにか見えるな」
 最近、少し目が悪くなったというお父さんドラゴンがさらに高度を落とす。
「周囲に誰かいたりするか?」
「わからぬ。儂にはそういった能力はないからな」
「そっか。それなら無理はしないほうがいいか。ゲートの登録だけして、またあとで来よう。敵が出てきたらよろしくな」
 幸い、小屋に降り立っても誰かが出てくる様子はなく、奨はゲートの登録を済ませることができた。一度使ったことがある扉と扉を繋げられる、奨の唯一にして最大のスキルがこのゲートだった。
「よし、完了っと。さ、帰ろうぜ」
「ん? 小僧はその扉から帰ればいいのではないか? 儂は一人でのんびり帰るぞ?」
「なんか悪いじゃん、それ。……よっと」
 一つ一つが自分の身長ほどもある鱗をよじ登り、再びドラゴンの背に座る。
「あとさ、もっとあんたの話聞きたくなったしさ。例のどら息子の話の続き、してくれよ」
「いいだろう、人間の子よ。牡の、父親の悲哀をたっぷりと聞かせてやろうではないか」
「将来に響くから、あんまり悲観するような内容は勘弁してくれよな?」
 残念ながら、ドラゴンの語る話(愚痴ともいう)は、十九歳の少年の夢や希望をいい感じに打ち砕くくらいの破壊力があった。


 現代日本と異世界とを自由に往き来できるようになった奨は、あれやこれやあったのち(ここらへんの詳細はフランス書院美少女文庫『異世界でハーレム始めました』及び同人誌『青橋由高短編集8 異世界でハーレム続けてます』参照のこと)、今もチヴァ王国及び魔界の発展と安全という名目であちこちを飛び回っていた。文字通り。
 もっとも、その背後には「この世界の美女・美少女ともっとエロエロしたい!」という、果てしない欲望があるのは言うまでもない。
 余談だが、先述のダークエルフとのコンタクトはシルヴィアに一度阻まれたものの、持ち前の不屈のしつこさでもって一度ならず関係を結んでいた。
「おおぅっ、さぶ!」
 チヴァ王国の王妃ソニアの寝室からそっと出てきた奨は、心地よい気怠さを下半身に覚えつつ、静かに城内を歩く。日本と季節がリンクしているこちらでも冬になり、朝晩の冷え込みが厳しい。
「奮発してお高いダウンジャケット買って正解だったな」
 日本の建物と違ってあまり断熱効果が高くない城内なので、防寒はかなり重要だ。今の奨には風邪でダウンするなどという無駄はできない。
「それにしても、ソニアさんは何度エッチしてもいいなぁ……ぐへへへ」
 奨の頬に赤みが差してきたのは、アウトドアメーカーの本格的な防寒具がもたらす暖かさのせいばかりではあるまい。
「ユリアさんも離婚が成立してからはさらに綺麗になってきたし、未亡人王妃とバツイチメイド長との3Pなんて、マジたまらんわぁ」
 二人に散々精を放ったというのに、奨の股間は衰えを知らぬように膨らむ。わずか三時間しか眠ってないとは思えないくらいにこのエロ勇者は今日も元気だ。
「さーて、誰を探索に連れて行くかなー。ってか、今日は誰がいるかなー」
 城を出た奨が向かったのはチヴァ王国騎士団の稽古場だ。朝の稽古をしている騎士たちから何人か選んで、昨日見つけた小屋の探索に向かう計画だった。
「おはよーございまーす。悪いんだけど、手が空いてるやつ、何人か俺と一緒に来てくれないかな?」
 奨がそう口にした途端、何人もの騎士たちが挙手をした。
「おいおい、まだなにするかも言ってないんだけど」
 奨は苦笑いするが、希望者が多いのはもちろんありがたい。
「勇者殿のお頼みとあればどこへでもお供します」
「そのための騎士ですからね」
「それに、奨殿と一緒ならば退屈しない」
 すっかり顔馴染みになった騎士たちの言葉に奨は満足げに頷く。
 真面目で勤勉なこの国の騎士たちは能力的にも性格的にも信頼できる。
 ゲートは開けても体力は日本人男性の平均を下回るようなインドアエロゲマイスターの奨にとって、彼らの協力は必要不可欠だ。
「今回行く場所はドラゴンでもかなり時間かかるところだから、乗り物酔いするやつはダメだぞ?」
 げぇ、と声を上げたのは、少し前の任務で危うくドラゴンに粗相しそうになった若い騎士だ。どうやら彼は今回、立候補を取り下げるらしい。賢明な判断であろう。
「もしかしたら戦闘になるかもしんないから、腕に自信あるやつにしとけよー。最悪、俺は一人だけで逃げるぞー」
 騎士たちが一斉に笑ったのは、この異世界から現れた勇者がそんなことをしないとすでに知っているためだ。
 奨がこの世界に来てから、シルヴィアやオリガ、ソニアたち女性陣を除けば、一番長く共に活動しているのがこの騎士たちだった。
「じゃあ、希望者多数だから、じゃんけんで決めるか。……ん? どうしたみんな?」
 騎士たちが急に黙りこくったのを見て奨は訝しげに首を傾げるが、その理由はすぐに判明した。
「遠い場所にも行けて、腕に自信ある騎士なら、ここにもいるわよ?」
 背後から音もなく現れたのはこの国の王女にして騎士でもある、シルヴィア・ベッツァーリだった。
「シ、シルヴィア」
 王家に絶対の忠誠を誓う騎士たちに「あなたたち、わかってるわよね?」とその青い瞳で牽制した姫騎士は、にっこりと微笑みながら奨を見つめる。
「まさか私を置いていくつもりはないわよね、あ・な・た?」
 偽りの笑顔と額に浮かんだ怒筋、剣の柄に伸びた右手を前にして、奨に「NO」の選択肢はなかった。