千代に八千代に (アクションコミックス)
大澄 剛
双葉社(公式サイトはこちら
2014-08-28

千代さんと先生は、付き合って3年。先生はいつも生真面目で口うるさくて…そんな所も含めて、千代さんは先生のことが大好きです。でもなぜか、先生がくれる誕生日プレゼントは毎年同じもので…。国語をめぐる表題作をはじめ、数学・理科・英語…と教科を題材にしたジンワリ珠玉のよみきり7編を収録!

 表紙とタイトルがどうにも気になったので公式サイトでちらっと内容確認してから購入。うむ、自分の勘を褒めてあげたい!

 巻末に他社で発表した短編も収録されてますが(これもいいよ!)、やっぱり目玉は連作?となっている表題作からの5作。国語・数学・理科・英語・家庭科をテーマにした読み切り形式。
 別作品のキャラがちょこちょこ出てきたり絡んできたり、というのはこうした短編集ではよく見られますが、それをより洗練させたのがこの1冊。

 ミステリだと全体を通じてのトリックがあったりして「どうよ?」って得意げな作者の顔が浮かんできたりもしますが(読者はそれを楽しみたい)、これはもっと「えへへ」って感じの、優しい感じの構成。
 ああ、1作目の「千代に八千代に」の回想シーン(14ページ)でのセリフがここに繋がるのか、と。
 多分、読む人によって色々な受け取り方がある各作品ですけど、全体的な、最大公約数的な印象はきっと一緒じゃないのかな、と思います。

 それにしても千代ちゃん可愛いなぁ。

 ちなみに「I Love You」に出てくる二葉亭四迷のアレ、私もそのうちどっかで使おうと思ってたんです。が、これでしばらく使いづらくなった(笑)。


 先月出た私の短編集「七人のおいしい人妻」も、本当はこんな感じに綺麗にまとめたかったんですよねぇ。
 あれは元々全部別々の、ばらばらの短編だったからこんなふうにはできなかったのが今さらだけどちょっと悔しい。うむむ。