初恋の女の娘 (フランス書院文庫)初恋の女の娘
青橋由高
フランス書院文庫

公式サイトはこちら(サンプルあり)
自分の教え子が、初恋の女性の娘だったなんて!
高校教師・龍弘の人生を変えた運命の三者面談。
「あの時」の記憶のように清楚で可憐な16歳・凛々花。
胸乳も腰回りも「あの時」より成熟した36歳の依子。
今、教室で、想い出とともに甘美な興奮がよみがえる。
交わす蜜会の先に待っている、時を越えた最高の初体験!

その2から続く)

 今作は執筆の際、悩んだ箇所が多いです。
 序盤の凛々花パートまではさくさく進んだのですけれど、そこから先はもうかなりプロットから変わってます。っつーかこの本、プロットも二度直してるんですよね。
 悩み始めたのは依子が本格的に動き出す三章以降。
 依子のキャラにも悩んだのですが、四章くらいから娘と一緒に好き勝手動きやがって、収拾するのに苦労しました。作者でもコントロールできないことは結構あります(プロットの作りが甘いだけという噂も)。

 それでも四章までは、取り敢えずストーリーの流れはプロットどおりでした。
 ただ、四章の終盤から最終章にかけてはもう、かなりぎりぎり。〆切が迫るのに(正しく言えばぶっちぎってました)自分の中では「これじゃダメだ」という焦燥感があって、相当追い込まれました。
 今だから言えますけれど、このとき、デビューしてから初めて本気で逃亡を考えたくらいです。
 考えることと実行することのあいだにはすっげぇ大きな溝がありますけども。

 追い込まれるとなにかしらアイディアも出るものなのか、いくつかのネタが降臨し、どうにかこうにか(自分では)納得できる感じにまとめられました。
 でも本当は、プロローグとエピローグはなにかしら対になるようなものにしたかったんですけどね。そこだけは残念ですが、今でも他の案が思い浮かんでないので、あれはあれで私の全力のようです。

 母・依子と娘・凛々花、どちらも書いていて楽しいヒロインでしたし、どっちも好きですけれど、描くのは同じくらい難しかったですね。
 凛々花は動かしやすい一方、まとめるのが難しかったです。
 逆に依子は、動かすのは大変なのですが、いったん動き始めるとあとは楽だったりします。
 読者のみなさんは母と娘、どっちがお好みだったでしょーか。

 エピローグ後の三人、どうなったんでしょうね。ま、エロエロかつハッピーな未来になったことだけは確実ですけれど。