初恋の女の娘 (フランス書院文庫)初恋の女の娘
青橋由高
フランス書院文庫

公式サイトはこちら(サンプルあり)
自分の教え子が、初恋の女性の娘だったなんて!
高校教師・龍弘の人生を変えた運命の三者面談。
「あの時」の記憶のように清楚で可憐な16歳・凛々花。
胸乳も腰回りも「あの時」より成熟した36歳の依子。
今、教室で、想い出とともに甘美な興奮がよみがえる。
交わす蜜会の先に待っている、時を越えた最高の初体験!

 2013年2月発売。通算37冊目(黒本は4冊目)。

 黒本のイロモノ担当としてここまで「僕とメイド母娘」「メイドと巫女と極甘生活」「私のご主人さま」と、メイドもの3連発を書いてきました。
 しかし今回は初めて非メイド作品。
 もっとも、テイストはいつもと変わってないような気も。ヒロイン(娘)の凛々花なんかは特に。

 打ち合わせの際、「次は非メイドで」とはすぐに決まったのですけど、そっからが少々難航。
 担当さんは「熟女! ちょっと背徳的に!」みたいなノリで、私はあんまりそっち方面得意じゃないから「寝取られ! 寝取られ! 寝取られ!」と平行線。
 作家と編集者の打ち合わせは笑顔でにこにこしつつも水面下では醜い策略と打算が渦巻くバトルです(半分冗談なんで本気にしないよーに)。

 やばい、このままでは知略に長けた編集者に押し切られる!……と焦った私はいったん体勢を立て直すべく、「実は……」と「特選小説」さんで書いてた短編を持ち出しました。
 おかげさまでアンケート結果がかなりよかった「初恋の女性(ひと)の娘」というこの作品、リンク先の自己解説でも書いてますように、色々な意味で実験作でした。
 読者の年齢層が高い「特選小説」で比較的美少女文庫っぽいノリが受け入れられるのか、というのが一番の挑戦でしたが、他にも長編用のネタをまずは短編でやってみよう、という狙いもあったんです。
 これは執筆当時、「特選小説」の編集長にも言ってたんですけどね。当たったら黒本でやってもいいですかって。

 もちろん、元ネタの短編と今回の長編は別々のもので、独立しています。話の骨格部分、すなわち「かつての初恋相手の娘が現れて」というところだけ共通で、あとは全然違います。
 いつものように世界観は一緒なので、お互いのキャラがどっかで擦れ違ってたりはするかもしれませんけどね。気が向いたらそういうSS書いてみるかも?

 この2作品、ざっと挙げるだけでもこんなに違います。

・初恋相手が近所のお姉さんから高校の先輩に
・娘が女子大生から教え子である女子高生に
・主人公が会社員から高校教師に

 一番の違いは、短編ではページ数の関係もあったので娘の単独ヒロインでしたけど、黒本では待望の母娘丼ルートになったってことでしょうか。

 そんなわけで、タイトルやコンセプトこそそっくりですけど、短編「初恋の女性の娘」と長編「初恋の女の娘」は別物と思ってくださいませ。両方読み比べるとより楽しいかもしれません。短編のほうは電子書籍で読めます(税込105円)!(ちゃっかり宣伝)

その2に続く)