トリプル押しかけメイド妻トリプル押しかけメイド妻
青橋由高(著)・有末つかさ(イラスト)
美少女文庫

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「使えない無能残念ご主人様ですね。可愛いメイド妻が待ってるんですよ」
航の目の前に並んだ、3つのヒップ
毒舌悪知恵メイド・ゆららも、武闘派マゾメイド・香津美も、純愛幼なじみメイド・瞳子も──ご主人様の挿入を心待ち
特殊能力〈言霊〉でメロメロにして、三つ巴のラブハーレムへ

 2010年8月発売、通算27冊目(黒本含む)。

 ちょうど1年前に発売した、

トリプル押しかけ許嫁トリプル押しかけ許嫁
青橋由高(著)・有末つかさ(イラスト)
美少女文庫

 と同じ世界観の作品となります。偶然ですが、作中の時間も1年後になってます。

 前作はおかげさまで好評で(初版部数もここ数年では一番多かった)、再び有末つかささんとコンビを組ませてもらえることになりました。
 個人的には「だったら素直に続編書かせろよ」と思うんですが、編集部からの指示は「新作で、でも前作を踏襲した、似た雰囲気の作品を」。
 …………いや、だったら素直に続(以下省略)。

 ま、愚痴は半分だけ冗談ですが、元々次があれば「トリプル押しかけ〜」ってタイトルにしようとは決めてました。
 当初考えていたのは「トリプル押しかけお姉ちゃん」。最近姉モノやってなかったし。
 ただ、「僕とメイド母娘」が(なぜか)ヒットした影響か、メイドでやろうということに。お姉ちゃんはまた今度。

 前作が「主人公が鬼江村に行く」だったから、今度は「ヒロインたちが主人公の元に来る」という方針にあっさり決定。
 メイドが押しかけてくるってどっかでやったなーとか思わないでもなかったですけど、ワンパターンは私の芸風なのでスルー。

 タイトルは「トリプル押しかけメイド」に決まってたので(「メイド妻」になったのは発売直前)、当然、ヒロインは3人。うち1人に関しては前作の松高くららみたいな毒舌キャラにしてくれと言われてました(だったら素直に以下略)。
 姉か妹にするという案もあるにはありましたけど、くららは私の中では一人っ子のイメージ。また、安易に同じキャラにするのはイヤだったから、ゆららに関してはかなり悩みました。

 以下、ネタバレたっぷりなので未読の方は注意。
 実はゆらら、当初はくららの従姉妹という設定もなく、そもそも名前も「由良(ゆら)」でした。くららの血縁にするかどうかは第一稿が終わる寸前まで保留にしてて、だから「松高」という名字が確定したのは作業の後半でした。

 担当さんが「どーせなら『由良々(ゆらら)』にしません?」って言うので、私も日和り、「そーっすねー」と由良々に変更。
 ただ、書いていくうちに「中途半端にするより、前作をそのままなぞるか?」と開き直り、「由良々」も「ゆらら」にして、さらにくららの従姉妹にしました。
 白髪にしたのも表紙やカラーピンナップを考えてのものです。
 表紙の構図も前作と同じなのもわざとですね。

 香津美に関してはキャラは確定してたのですけれど、どうしても前作の理華とかぶっちゃうので、そこらへんに苦戦しました。理華よりはちょっとミーハーです、この娘。個人的にはかなり好き。

 逆に、瞳子は最初と最後でかなり設定変わりましたね。
 幼なじみという点は一緒なのですが、当初は鬼江村の人間ではなく、巻き込まれてメイドに……という予定でした。イメージとしては「メイドなります!」の美沙ですね。
 でも、書いていくうちにページが足りなくなったりして、最終的には今の設定に落ち着きました。
 おでこキャラ、大好きです。

 設定で一番変わったのは、実は主人公である航です。
 遺産を相続する、というところだけは決まってましたけど、どんな「力」を持ってるのか、作業のかなり後半まで未定だったほど。
 本当はもっと歯が浮くようなセリフを言わせたかったのですが、私には向いてないのでしょう、全然思い浮かびませんでした。そこが心残り。

 あくまでもこれ単独で読めて楽しめるようにしなきゃならないため(ここらへんが大変だから続編書きたいと思うのです)、前作との絡みは意図的に抑え気味です。
 前作を読んでくれた人がくすりとしてくれるようなネタはちらほら入ってますけどね。

 例によって例のごとく今回もページが足りなくなり、かなり手を加えて対応しました。
 本当はメイドになるまでの経緯とか、メイドとして転校してくるシーンとかもありましたが、ばっさりカット(ここらへんのテキストを一部抜き出したのがオータムリーフでの特典ペーパーです)。
 だいたいですね、くららもそうだったけど、ゆららのセリフがいちいち長いんです(笑)。
 可能なら短いセリフでばしっと罵ればいいんでしょうが、残念ながら私の技量では無理。だからだらだら長くなるのです。いや、書いてて楽しいんですが。大変だけど楽しいんです、罵詈雑言吐かせるのが(笑)。

 でも、頑張ってページ圧縮しまくった結果……やりすぎて逆に5ページほど余りまして、最終入稿数時間前に慌てて加筆。それが最終章とエピローグのあいだのアレです。
 本当は前作のキャラを各章のあいだに幕間として登場させる思惑があったのですけれど、担当さんからそれNGと言われたのでボツに。ま、やってたら確実にページ足りなかったけども。
 そんなわけで、あそこだけは前作読んでくれた方へのサービスとして、好き勝手書かせてもらいました。

 今回も私が遅筆なせいでスケジュールぎりぎりで、イラストとテキストが同時進行でした。
 ただ、これだとイラストを見ながら書けるという状況になるため、私としては凄く楽しいんです。ゆららや香津美、そして瞳子のキャラは、有末さんのラフにかなり影響されてます。
 本文イラストはどれも素晴らしいですが、中でもゆららの照れた顔と瞳子のおでこアップは特にお気に入りです。

 もし今作も好評でしたら、「トリプル押しかけお姉ちゃん」が実現する……かも?


 宣伝になりますが、今作と前作の後日談をだらだら書いた同人誌を作りました。
 興味がありましたらお手にとって見てください。

短編集2(仮)青橋由高短編集2 くららとゆららの9月1日(18禁)
青橋由高
青橋商店