感じて人妻感じて人妻
草凪優
竹書房
今春大学を卒業した平森京太郎は、地元の名士の娘で初恋の相手・二階堂薫子との結婚を控えて浮き立っていた。しかし、薫子との初エッチで経験のない京太郎は大失敗し、「もう、顔も見たくない」と怒られ、童貞喪失はおろか、婚約も破棄されてしまう。
傷心の日々を送る京太郎だったが、暇と欲望を持て余した美熟の人妻たちと知り合い、その境遇を打ち明けると、「オンナを教えてあげる」と次々に誘惑されて…。

今最も注目の作家が描く、限界知らずのめくるめくエロス、そしてちょっとセンチメンタルな「性春官能ロマン」の快作!

 序盤でいきなり主人公の京太郎はイタイことしやがります(笑)。
 しかしイタイ(笑)のはここだけで、これ以降は「うんうん、頑張れ」と思わず応援したくなります。なかなかの好青年。エロいけど。エロいけども。

 濃厚なエロ描写は健在です。もう、作者の「エロ大好きっ!」という魂のシャウトがびんびんに伝わってくるくらいです。
 特別、とんでもないプレイとかシチュがあるわけでもないのに、それなのにエロいのです。これ、凄いことです。
 見習わなければ。

 中盤まで読んで、
「お、なるほど。こういうストーリーか。ってことは、この後はこーなるんだな」
 と勝手に決めつけた私の予測を裏切り、物語はちょっと意外な展開を見せます。
 ある意味寝取り、ある意味寝取られ……と言えなくもないシチュがあるのですけど、ネチネチしてないし、京太郎の性格のおかげで鬱ではありません。むしろ適度に背徳的かつ官能的で、エロス濃度が高まります。

 ラストもちょっとひねっていて、少しだけコミカルな感じでした。
 コテコテのお約束展開オンリーの青橋とは違うなぁ、などと感心しつつ読了。

 私のお気に入りは当然(?)亜矢さん。次点が桜子さん。
 桜子さんまじえた姉妹丼希望(笑)。