トリプル押しかけ許嫁トリプル押しかけ許嫁 (美少女文庫)
青橋由高(著)・有末つかさ(イラスト)
美少女文庫

公式サイトはこちら(サンプルあり)
後日談を描いた同人誌はこちらこちら
「特殊能力が絶倫だなんて、先輩は変態すぎます!」
なじりながらも代わる代わるのご奉仕&絶頂に溺れる3人の許嫁☆
毒舌の天才少女・松高くらら。
年上バージンの若葉先生。
凛々しい薙刀少女・海藤理華もアナタに夢中! 
特殊能力を秘めた少女たちとの重婚は、いつしか4P必須のラブハーレムに!

 2009年8月発売。通算22冊目。

 有末つかささんとはこれが初コンビ。
 しかし、私のスケジュールがめちゃくちゃピンチだった&有末さんの連絡先がわからなかったので、今回、青橋のキャリアで初めて一度もご挨拶できないまま作業スタート(実はまだお礼も言ってないので、あとで担当さん経由でメッセージ届けてもらう予定)。

 前作が単独ヒロインだったし、最近は多くてもヒロインが二人までだったので、今回は多めにしましょう、とはあっさり決定。有末さんならしっかりヒロイン描き分けてくれるし、というのも大きな理由の一つ。
 しかし、もうあの地獄はイヤだと、4人以上は却下。消去法で3人ヒロインが決定しました。
 ……安易でしょ? でも、いつもこんな感じです、はい。

 さて、次に問題となるのは全体の属性です。セールスポイントですね。表紙の見栄えとかタイトルとか考慮しつつ考えますが、ここはいつも大変です。私の好みだけでやるとマニアックすぎて売れないし、編集部の言うままにやってたらフツーになっちゃうからひねくれ者の私としてはつまらないので。

 今回のテーマは「和服」でした。そして「田舎」。
 当初はもっとじめじめした、閉鎖的な村を描くつもりでしたが(これは私の実体験が元ネタ)、伝記ものっぽくなっちゃうし、重くなるので却下。
 結果的に「W新婚お嬢様!」に続く重婚シリーズ第2弾みたいになりましたけど、これは結果的にそうなっただけで、最初は全然意識してませんでした。次々と許嫁が押しかけてくるってイメージしかなかったし。
 若葉だけが積極的で、くららも乗り気でなく、理華は完璧に主人公を嫌ってた、というのが初期設定。理華は典型的なツンデレだったのですが、途中でキャラ変わっちゃいました。若葉も、もうちょっと普通だったなぁ(苦笑)。
 くららはほぼ初期設定のままです。もちっとマイルドだったかも?
 子供の頃、くららと同じ病気の知人がいたので参考にさせてもらいました。元気でやってるかな? そーいやアイツも頭よかったなぁ。

 今思い出したんですが、「W新婚お嬢様!」の涼音もモデルがいます。見た目は完璧に西洋人(綺麗な金髪!)なのに中身は完璧に日本人というハーフが学校にいまして。
 ま、どーでもいい余談ですね。

 三人のヒロインのうち、今のところは毒舌ロリ娘のくららが人気集めてるようですが、実は私の中では一番下の扱いでした(……とか書くとくららに毒殺されそうだな)。
 企画段階で書きたかったのは、

・結婚願望強い大人の女性(若葉)
・露出癖のある変態(若葉)
・ツンデレ(初期設定の理華)
・なぎなた少女(理華)
・主人公の前でお漏らししちゃうシーン(理華)

 ここらへんでした。……うわ、自分で書いてても引くわ、これ。
 くららに関してはあまり思い入れがなかったんです。三人平等に描くようにはしましたが、一応のメインは理華を想定してました。

 執筆中に有末さんのラフが届いたのですけれど、これが素晴らしい出来で、我々はこの時点で(商業的な意味での)勝ちを確信しました。
 担当さん曰く「完璧です」。
 私は特にカラーピンナップの若葉が最高にお気に入りで(デフォルトされたあのちび若葉です)、あのイメージを元にかなり書き直したくらいです。

 第一稿を書き上げた時点ですでに450ページ(!)とアホみたいに分量オーバーしてたのですが、実はこれでもまだ私としてはかなり消化不良でした。
 ま、さすがにこれじゃまずいと、泣く泣く削りまくって最終的な形になりましたが、今回ほどページが足りないと嘆いたことはありませんね。
 特にくららとのエッチシーンは30ページ近くあってお気に入りでしたけど、どー考えても削らないとまずかったのでカット。お蔵入りさせるにはもったいなかったので、美少女文庫のサイトで救済処置

 今後、ちまちまと未公開シーンをこのブログで発表するつもりです。ま、エロシーンはもうないですけどね!

 作品全体としては一応強引にまとめたつもりですが、大幅に凝縮したため、かなり駆け足になっちゃったかもしれません。
 本当は色々な設定があったんですよ?

・拓光がどうして東京から鬼江村に引っ越すことを決意したのか
・拓光は東京では色々なバイト(怪しいものも含む)をしてた
・拓光の両親について
・鬼江村の生い立ちと現在の立場、裏でやってる秘密の事業
・理華とくららの学校生活

 などなど、描ききれなかったことが大量にあります。
 自分の力不足を嘆きまくりです。ホント、すんません。

 拓光は東京でなかなかハードな人生送ってたんですけどね、本編だけ読むとただのツッコミ役に(笑)。

 裏話ですが、拓光が剣道を習ってたのは「純情〜彼女は剣道部!」の洋のところです。現在、洋は大学に通いつつ道場の師範やってる模様。多分、まだ姉ハーレム状態のはず(笑)。


 担当さんとか、みんな「くららが一番好きなんでしょ?」とか言われますが、お嫁さんにするなら理華もしくは若葉を選ぶ気がします。
 理華の弛緩シーンが書きたかったわけですしねー。

 あ、でも、確かに書いてて一番楽しいのはくららです、はい。
 だけど、私の中では三人とも平等に扱ったつもりです。

 みなさんはどの許嫁がお気に入りだったでしょうか? 全員気に入ってもらえると嬉しいです。


(2010/08/22追記)
 後日談を描いた短編を収録した同人誌を作りました。
 興味がある方は是非(と、宣伝)。
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