好き好き大好きお姉ちゃん♡ ベタ甘☆カフェ同棲
青橋由高(著)・七瀬葵(イラスト)

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 はい、自己解説その2です。

 ヒロインは単独でお姉ちゃん、というところまではすんなりゴーサインもらえたのですが、それだけだとちょっと弱いな、というのが私と担当さんの見解でした。

 正直な話、書き手としての私は「甘々のお姉ちゃんが書ければいいの!」くらいの気持ちでしたけど、編集者としては当然、セールスも考えなくてはなりません。
 この作品の売りはなんですか、と聞かれて、「七瀬葵さんのイラストだけ!」というのではさすがにまずいですしね。

 また、ストーリーがないに等しいとは言っても、当然ある程度の展開は必要です。エッチシーンのヴァリエーションを増やすためにもこれは重要になります。

 喫茶店・カフェはどーですか、と提案してきたのは担当さん。

 過去にも何度か似たような設定で書いてるけどいいんですか、と確認しましたが、ヒロインや主人公の設定が全然違うし、そもそもメインの売りは「甘姉」で確定してるので問題ないでしょう、という結論に。

 ただ、できるだけ過去の作品とは差別化を図りたいってのは書き手の本能でして、少し変化をつけたいですね、とも言いました。

 「だったら、コーヒーをメインにしますか?」と言ったのも担当さんでした。
 「あー、それもいいですねー」とあっさり頷いたうつけ者は私でした。

 このとき、担当さんの脳裏にはコーヒーカップを持った、ウエイトレスっぽい格好のお姉ちゃんがイメージされていたんだと思います。
 一方の私は、コーヒーの種類と各章のイメージを絡めてみると面白いかな、なんてことを考えてました。

 まさか、コーヒーの取材にあれほど手間取るとは思いもせずに……。


 本編そのものはすらすらと進みました。煩悩に従って書くだけですから。キャラもすんなり確定。

 あ、今当時のプロット読み返したんですけど、最初は文化祭で女装ではなく、近所にできた競合店に負けないために女装、になってました。
 どっちにしろお姉ちゃんに女装させられる運命だったんですね、るーくん。

 あとはもう(私にしては珍しく)特に大きな変更もなく、最後まで書き上げました。

 半分くらい書き上げたあたりだったでしょうか、他の仕事で疲弊してちょっとペースダウンしたのですが、まるで見計らったように七瀬さんのキャララフが到着。

「これでやる気が出たんじゃないですか?」とは策士の担当さんの弁。
 まんまと乗せられて頑張りましたけどね、ええ……。

 斗和子もイメージどおりでしたけど、やっぱりるーくん(晄)の絵を見たとき「これだッ!」と思いましたね。
 うん、これなら斗和子も食べちゃうよな、と(笑)。

 私の作品で、男キャラがあんなにどーん!と表紙に出たのは初めてじゃないでしょうか。ふふふ。


 今回のイラストで青橋が特に気に入っているのは、2枚のカラーピンナップと、P67とP270のモノクロ2枚。

 テキストだけでなく、イラストからもキャラを描写してくれるのって、作者として凄く嬉しいものなんです。しかもイメージぴったりだったし! 斗和子はまさにあんな感じのお姉ちゃんなのです。

 毎回書いてるように、イラストあっての作品ですからね。


 著者解説その3に続く!