私立糠田東高校に勤務する萩多貞行は、猫背でガニ股の冴えない教頭だ。
バーコード頭なので、あだ名はハゲタ。
しかしてその実体は、文部科学省の特務機関に所属するエリート教師。
彼の任務は、学園のトラブルを調査し、解決することだ。
ヅラを取った瞬間、ナイスミドルに変身、女をイカせる秒速の腰で、学園に巣食う悪に立ち向かう!
痛快長編お色気サスペンス。


 えー、このあらすじ読んだだけで期待が膨らみますね。私、こういうの大好きです。帯を取ったらハゲタ……もとい、萩多が現れたのもツボでした。いいなぁ、こういうの。

「なんだよ、ただのバカ小説だろ?」
 そう思ったあなたは勘違いをしています。
 確かにあらすじはバカですが(失礼!)、中身はちゃんとした小説です。
 書いたことのある人間ならわかるでしょうが、エロとストーリーを無理なく融合させるのはとにかく難しいんです。大抵はどっちかに偏るものですが(ここで具体的なタイトルや作家を挙げると危ないので自重(^^;)、橘さんはそこらへんのバランス感覚がとにかく絶妙です。
 元教師ということもあって、学校職員内の人間関係の描写なども妙にリアル。だからこそエロシーンが引き立ちます。
 オススメは体育教師の公開スケ水着シーン。エロエロです。

 ま、一番のお気に入りはハゲタこと萩多なんですけどね。
 普段はイヤミな中年教頭、だけどその正体はダンディ&超絶エロテクの持ち主というベタな設定が最高! 
 最終章のノリは現代版水戸黄門みたいですかっとしましたし、エピローグのオチもよかったです。橘作品ってオチが綺麗ですよね。シンプルだけど無駄がない点は私も見習わなくちゃ。