絶対無敵 お嬢様 (美少女文庫)絶対無敵♡お嬢様
青橋由高(著)・成瀬守(イラスト)
美少女文庫

公式サイトはこちら(サンプルあり)
絶対無敵で超絶高飛車!
けれど本当は純情可憐?
少年がお仕えする遥と翠はお嬢様姉妹。
二人への初恋は夢で終わるはずだった……とんでもない誘惑を受けるまでは。
「命令です! 私たちを抱きなさい!」
捧げられた姉妹バージン、ドレス姿で3Pパーティ。
「もう一生、離してあげませんわ!」


 2006年8月発売。通算12冊目。

 本が売れないと言われる2月(「メイドなります!〜おしおき」)に続き、8月(こちらも売れないそうです。ニッパチとか言いますね)も制覇してしまいました(笑)。

 今回は成瀬守さんとの初コンビ作品です。
 カラー口絵の代わりに4ページの書き下ろしカラーマンガが載ってますが、これの出来が素晴らしくイイ!ので、青橋、オススメでございます

 ストーリーは極めて単純明快。
 お金持ちの家に生まれた(成金ですけどね)二人のお嬢様姉妹と、その幼なじみ兼後輩である主人公とのハーレムものです。
 いつもと同じっちゃあそうなのですが、いつも以上にストレートなお話にしてみました。

 企画段階では「今回は色々冒険してみましょうか」ということで、実はとんでもないプロットができてました。個人的にはそんなに悪くないと思ってたんですが、担当さん曰く、
「これじゃライトノベルです」
 いや、だってあなたが言ったんですよ、「女子高生が○○振り回す話がいいですね」って。「ベ×セ×ク」の×ッツみたいなノリで、とか。だから散々苦しみながら色々設定でっち上げて書いたのにぃ(笑)。
 いつかライトノベル書くことがあったら流用しようとか思ってます……そんな機会ないでしょうが。

 担当さんは「これからは×××ものが来ますよ!」と、どうやら私にそのジャンルを書かせたいようでしたが、なにしろ私、あまり最近の×××ものを知りません。属性的には大好物なのですが、なにぶんにも資料(このケースだとゲームですね)を調べる時間もありません。とにかく〆切との戦いでもありましたから、今回は。
 打ち合わせから4ヶ月後に出版ってどーゆースケジュールですか(^^;
 成瀬さん曰く、「今までのキャリアで一番辛かった」。……ごめんなさいm(__)m

 いや、機会があったら是非書きたいんですよね、×××もの。じっくりアイディア煮詰めて、イメージ固めて、来年くらいに書けたらいいな、とは思ってます。
 問題は……担当さん、すでにやる気がなくなってるっぽいことでしょうか(^^;

 さて、女子高生が××振り回すプロットが却下された(実は結構ショックだった……)時点で、すでにスケジュールはまずいところまで来てました。
 そこで、「んじゃ、逆に思い切りお約束なお話でやってみようか」と開き直りまして、速攻で新しいプロットを作りました。
「いいですね、これ」
 と担当氏。
 くっ……だったら最初からこの路線でよかったじゃないかあああぁっ!!

 では、どうやって「絶対無敵お嬢様」のプロットが決まったかを暴露しましょう。
 テーマが「いつものお約束なお話」と決まったので、あとはすんなりでした。

 まずはイラストの成瀬さんの絵柄から、「ファンタジー系より、学校の制服とかが似合うんじゃないかな」と勝手に私と担当さんで判断して、現代の学園ものに決定。ま、これは青橋作品全てに共通してますけどね。
 以下、
「前作(「キスキス」)が妹だったから、今回は歳上キャラに」
「先輩キャラが書きたかったから、姉ではなく先輩にしよう」
「ヒロインは三人だとストーリー的に収まらないから二人で」
「(タイトルとかに使う)メイン属性はお嬢様にしましょう」
 と、外堀は比較的簡単に埋まりました。
 ここまでは担当さんとの打ち合わせであっさり決定。このあとは私の作業です。

 私のなかでのテーマは「原点回帰」でした。
 細かいことを考えず、敢えてストレートな、とにかく青橋由高カラーをとことん前面に押し出すことをテーマとしました。
 変にひねらず、ど真ん中に直球を投げ込むことを考えました。
「安易」「単純」「ワンパターン」という批判が来るのは覚悟の上で、一度初心に戻ってみることにしたんです。

 担当さんに提出したプロットは(なぜか)好評だったので、そのまま執筆開始。すぐに成瀬さんからキャララフが届いたのですが、これが素晴らしくよくて、当初のイメージを改め、このラフに合わせて書き直しました。
 遥のツンデレっぷりや翠の腹黒さは、このラフに触発されたところが大きいです。特に翠はかなり変わりましたね。
 こういうとき、ライトノベル系作品ってのはイラストさんとの共同作業なんだな、と感じます。だから楽しいんです。

 今回の執筆での一番の転機は、作中に出てくる「プロムナード」の存在を取材で知ったときでした。
これだ!
 この瞬間、それまではバラバラだったストーリーがようやくまとまって最終形になったんです。
 プロットの段階で考えておくべきなんですが、私は毎回こうして行き当たりばったりで書いてます(^^; 常に綱渡り作家、それが私です。あっはっは(反省の色なし)。

 ただでさえワンパターンな私が意識的にワンパターンな作品を書いた今回の作品、みなさんがどのように受けとるのか、非常に興味があります。
ご意見ご感想、お待ちしております。
 今のところ10件弱の感想がありますが、なぜか「今までで一番イイ」という意見が半分くらいあって、私は非常に複雑な気分でございます(^^;

「どっちがメインヒロインなの?」という質問も複数来ておりますが、これ、作者にもわかりません
 表紙イラスト見ても、どっちがメインなのかわかりませんしねえ。……どっちなんでしょ?
 書いてるときは、意識して二人とも同条件になるように(出番とかエッチシーンの回数とか)調整してましたけど。
 みなさんは遥と翠、どちらがお好みですか?

「メイド」「彼女」シリーズに続く「絶対」シリーズ(仮称)が書けるよう、ご協力よろしくお願いいたします(意訳:買え)。